シャープが太陽光と蓄電池の「定額使い放題」をリリース
シャープは新築向けに、太陽光発電システムや家庭用蓄電池のサブスクリプションサービス「COCORO POWER(ココロパワー)」を開始します。
「これって、ホントにお得?」
購入する場合と費用対効果を比較してみます。
◆ 「定額使い放題」の概要(太陽光発電のみを導入する場合)
・対象:新築住宅
・申込み: 2021年6月30日から
・太陽光パネルの設置容量: 5~10kW未満
・売電収益: シャープの収益
・月額費用(ガス併用): 7,700~8,800円
・月額費用(オール電化): 8,800~9,900円
・電気料金: 25.85円/kWh(140kWh超過分)
・所有権: 10年後に譲渡
結論は、
販売店から直接購入する方が圧倒的にお得です。
現金購入が最もお得ですが、ローンでも購入した方がお得です。
具体的な試算は後述します。
特に、今年度は国(sii)から蓄電池の補助金が出ているので、購入の方が圧倒的に負担額が少なくなります。
昨今の再生可能エネルギーの普及促進により、自治体からも太陽光発電や蓄電池に高額な補助金が出ております。
お住まいの自治体の蓄電池の補助金情報をご確認ください。
▶ 蓄電池の補助金の詳細
「定額使い放題」サービスの概要
定額使い放題の「COCORO POWER(ココロパワー)」は、シャープと東京電力グループのTRENDEが提供するサービスで、シャープが窓口となるようです。
サービス名は以下の2つです。
・ソーラープラン:太陽光発電のみを設置
・ソーラー蓄電池プラン:太陽光発電と蓄電池を設置
◆ PPA(第三者所有モデル)について
昨今、新築を対象に「初期費用0円」で、太陽光発電を提供するPPA(第三者所有モデル)が多数リリースされております。
・ほっとでんき
・エネカリ(のせトク)
・ソラトモ
・フリーソーラープロジェクト
・ソーラーメイト東京都限定プラン
・ちゃんとGood!サービス
・サンサンおとくプラン
・Zソーラー
・未来電気
・サニックスでんき
・0円ソーラー設置サービス
PPA(第三者所有モデル)の仕組みは以下の内容です。
・概ね10年後に無償で譲渡される(10年間は提供企業が所有)
・10年間は、定額制・電気料金に上乗せして利用料を支払う
・10年未満で解約する場合は、違約金が発生する
◆ PPA(第三者所有モデル)のメリット
「COCORO POWER(ココロパワー)」も同様ですが、PPA(第三者所有モデル)よりも購入する方がお得です。
「では、PPAを活用するメリットはなんでしょうか?」
初期費用無料?
「初期費用無料」「0円太陽光」の訴求でプロモーションされているケースが多いですが、ローンも初期費用は無料なので、PPAのメリットとは言えません。
総合的な費用対効果が高い?
販売店から直接購入する方が経済的なメリット、キャッシュフローは多く、PPA(第三者所有モデル)の優位性は低い。
負債に計上されない
PPA(第三者所有モデル)を利用する最大のメリットは、「負債に計上されない」という点です。
太陽光発電を現金で購入される方には、関係ないポイントですが、ローンで購入すると「負債(借金)」として計上されます。
借金できる上限(与信枠)は、ある程度決まっていて、新築住宅だけでなく自動車ローンなどの借入で与信枠がギリギリの場合は、PPA(第三者所有モデル)の選択肢しかないかもしれません。
10年間はメンテナンス無料
PPA(第三者所有モデル)の場合、10年間は所有権を企業が有しているので、故障などの不具合は全て無償で対応してもらえます。
普通に購入する場合でも、「機器保証・自然災害保証・施工保証」の3つの長期保証を提供しているので、お客様の負担は基本的には発生しないので、PPA(第三者所有モデル)特有の強みでもないですね。
お見積りは全て無料です。まずは、お問合せください!
「定額使い放題」と「ローンで購入」を比較
「COCORO POWER(ココロパワー)」は、太陽光発電システムのみ設置するプランと、太陽光発電と蓄電池のセットプランの2商品がラインナップされております。
蓄電池はどのタイプが該当するのか不明なので、太陽光発電システムを導入する場合を試算し比較してみます。
「COCORO POWER(ココロパワー)」の諸条件から、以下の前提で「定額使い放題」と「ローンで購入」の負担金額を比較します。
◆ コスト試算の前提条件
【 共通条件 】
・試算期間:10年間
・太陽光パネルの設置容量:6kW
・月間発電量:550kWh
・月間自家消費:125kWh
・月間電気使用量:500kWh(4人家族の平均)
・太陽光設置後の月間電気使用量:375kWh
【 定額使い放題の条件 】
・売電収益:0円(シャープの権利)
・月額費用:8,500円
・電気料金:25.85円/kWh(140kWh超過分)
【 ローンで購入の条件 】
・電気代単価:25円
・売電価格:19円
・購入総額:1,200,000円
・ローン月額:11,100円(金利0.6%、10年間)
※住宅ローンに含める前提での金利
※PPAと条件を合わすため、借入期間は10年間
◆ 「定額使い放題」のコスト
・PPAの月間使用料:8,500円
・月間電気料金:6,075円
・月間総額:14,575円
・年間総額:174,897円
・10年間総額:1,748,970円
◆ 「ローンで購入」のコスト
・月間ローン支払い:11,100円
・月間売電収益:8,075円
・月間電気代:9,375円
・月間総額:12,400円
・年間総額:148,800円
・10年間総額:1,488,000円
それなりにリアルな前提条件で試算してみましたが、「定額使い放題」と「ローンで購入」の10年間の総額を比較すると、
差額:260,970円
120万円の投資に対して、キャッシュの差分26万円はかなり大きいと思います。
「定額使い放題」「ローンで購入」「現金で購入」など、選択肢は多様ですが、まずは試算して比較して決断しましょう。