千葉の大停電で「役に立たない」蓄電池が明白に!?
千葉の大停電の概要
9月9日の台風15号により、千葉県にて93万世帯におよぶ大規模停電が発生した。
千葉県の停電は長期間にわたり、9月16日時点でも9万8千戸で停電が続いた。
停電中は当然、家電は一切使用できず、冷蔵庫の食材は廃棄し付近のガソリンスタンドまで、携帯電話を充電しに通い、数時間待つ生活を余儀なくされました。
一方で、「太陽光発電システム」、「家庭用蓄電池」を導入しているご家庭は、通常時に近い生活を継続できました。
生活家電の中でも、特に冷蔵庫やエアコンを利用できることの生活メリットが大きかったようです。
大規模停電に遭遇する機会はめったにないので、太陽光発電システムや家庭用蓄電池の必要性を実感しにくいが、2年前は熊本地震、昨年は北海道地震で同様に大規模停電が発生し、今回の千葉の停電。
太陽光発電システムや家庭用蓄電池は売電や節電など経済メリットにフォーカスしがちだが、本来の導入価値は災害時の非常用電源である。
経済メリットは施主様にとっても導入する強い動機付けになるし、販売側も不確実な災害の話より説明が容易である。
太陽光発電システムにおいては買取価格が下落傾向だが、エコ発電本舗のようにネットの販売店から購入すれば費用対効果はまだまだ高い。訪問販売は割高な価格なので費用対効果はかなり低いのでおすすめしない。
家庭用蓄電池においても、現時点では国と自治体からダブルで高額な補助金が出ているので極めて割安な価格で導入でき、災害対策だけでなく、高い経済メリットも享受できる。
しかしながら、全ての家庭用蓄電池が災害時に活躍できるわけではございません。
特に長期間の停電におよぶ場合は、太陽光発電システムと連携する家庭用蓄電池でないと、停電時に十分な充電を行えません。
蓄電池選びで失敗しないために、「かしこい蓄電池の選び方」を動画で解説しております。
「単機能型」と「ハイブリッド型」の違い
家庭用蓄電池には「単機能型」と「ハイブリッド型」の2つのタイプがあります。
単機能型家庭用蓄電池と、ハイブリッド型家庭用蓄電池の決定的な違いは、停電時における太陽光発電システムの発電電力の動作です。
【単機能型 家庭用蓄電池】
単機能型家庭用蓄電池の場合は、太陽光発電システムの発電電力は「自立運転」にて使用することになり、1.5kWの発電量しか使用できません。
また、停電時の太陽光発電システムの運転切替は手動となります。
太陽光発電システムのパワーコンディショナを「自立運転」に切り替えることで、家庭内に太陽光発電システムの発電電力を供給できます。
結果的に停電時は太陽光発電システムの発電電力を「ごく少量しか」蓄電池に充電することができないので、長期間の停電には対応できません。
停電時の動作について正確に伝えない販売店も非常に多いので要注意です。
【ハイブリッド型 家庭用蓄電池】
ハイブリッド型家庭用蓄電池の場合は、太陽光発電システムは蓄電池に直接充電され、出力容量に応じて電力を利用できます。例えばニチコンの12kWhタイプであれば5.9kWの発電電力を利用できます。
また、停電時も太陽光発電システムの発電電力を蓄電池に充電できるので、長期間の停電時も太陽光発電システムの発電電力と蓄電池の蓄電電力を使い続けることができます。
結論としては、長期的な停電に備えるためには、ハイブリッド型家庭用蓄電池がおすすめです。