自家消費型太陽光発電システムとは?価格や補助金、メリット・デメリットを解説
法人のお客様から、工場の屋根や駐車場、事務所の屋根などを活用した自家消費型太陽光発電システムのご要望が増えております。
昨今は「全量売電」より「自家消費型」の方が、圧倒的に費用対効果が高いケースが多いです。
自家消費型の優位性が高い理由は以下です。
・売電価格の低下
・電気料金の上昇
・自家消費型のみ対象の高額補助金
・自家消費型のみ対象の税制優遇
今の時流は、国をあげて「自家消費型」を推進しており、
「総額の1/3の高額補助金」
「初年度一括償却の税制優遇」
など、非常に大きなインセンティブが設定されています。
自家消費型太陽光発電システムの「投資対効果・補助金・税制優遇・仕組み」など解説いたします。
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自家消費型太陽光発電の投資対効果や仕組みは、動画でも解説しているのでご参照ください。
自家消費型太陽光発電システムとは?
自家消費型太陽光発電システムとは?
自家消費型太陽光発電システムとは、文字通り太陽光発電の発電電力を電力会社に売電せずに、太陽光パネルを設置している施設で使用(自家消費)する設置モデルです。
自家消費型の仕組みや投資対効果は後述しますが、自家消費型は施設の使用電力を太陽光発電の発電電力でまかなうことで、電気代を節約することでリターンを得るビジネスモデルです。
昼間の電力使用量が収益に直結するので、昼間の電力使用量が少ない場合はもちろん、休業日が多い施設では十分な節電効果が得られません。できる限り過去の電力使用状況がわかる資料を準備して、販売店に最適なプランを依頼しましょう。
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自家消費型太陽発電のメリットは?
◆ 非常用電源として活用
自家消費型太陽光発電を設置することで、停電が発生しても太陽光発電の発電電力を活用して、電気を使用できます。
また、蓄電池も併設することで、太陽光発電システムが稼働しない夜間帯や雨天時も電気を活用できます。
◆ 経済メリットが大きい
自家消費型太陽光発電の一番のメリットは、余剰売電や全量売電と同様に経済メリットです。
自家消費型の場合は、全ての発電電力を設置場所の施設や工場なので使用するので売電収益は享受できませんが、電気料金を大幅に削減できます。
昼間の使用電力量が安定的に多い施設であれば、節電効果は絶大です。
◆ CO2排出量を削減
太陽光発電システムの発電電力を活用することで、温室効果ガスを削減でき、企業としての環境対策をアピールできます。
特にプライム市場においては以下の3つのポイントにてCO2削減の情報開示求められております。
・スコープ1:直接排出した温室効果ガス
・スコープ2:使用電力などで間接的に排出した温室効果ガス
・スコープ3:製造から販売までのバリューチェーン全体での温室効果ガス
自家消費型太陽発電のデメリットは?
◆ 経済メリットは昼間の電力使用量次第
自家消費型太陽光発電システムは、昼間の使用電力を太陽光発電の電力でまかない電気代を節約することで収益を得る投資モデルです。
投資効果は昼間の電力使用量に直結するので、休業などで昼間の電力使用量が少ない日は収益も激減します。
老人ホームなど継続的に電力使用する施設が理想ですが、昼間の電力使用量の変動が激しい場合は、収益のシミュレーションも困難で、想定通りのリターンを得ることができない可能性もあります。
◆ 自家消費型は設置費用が高価格
自家消費型太陽光発電システムの場合、全量売電や余剰売電の場合と異なり「RPR(逆電力継電器)」「自動制御装置付きのパワーコンディショナ」など特有の設備が必要となり、通常の太陽光発電システムの設備よりも導入費用が高価格になります。
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エコ発電本舗の「取扱商品」「補助金情報」
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全量・余剰・自家消費型はどれが得?
全量売電・余剰売電・自家消費型太陽光発電システムはどれが投資対効果が高い?
売電価格の下落と、電気料金の上昇により「全量売電」より「余剰売電」「自家消費型」の方が投資対効果が高いです。
ちなみに、設置容量50kW未満の場合は「全量売電」は適用されず「余剰売電」となります。
◆ 「売電価格」「電気料金」の推移
・売電価格:10~50kW未満
・電気料金:既存電力会社の平均単価(資源エネルギー庁)
売電価格 産業用 |
電気料金 産業用 |
売電価格 家庭用 |
電気料金 家庭用 |
|
---|---|---|---|---|
2024年度 | 10円/kWh | – | 16円/kWh | – |
2023年度 | 10円/kWh | – | 16円/kWh | 33円/kWh |
2022年度 | 11円/kWh | – | 17円/kWh | 33円/kWh |
2021年度 | 12円/kWh | 19.28円/kWh | 19円/kWh | 28.09円/kWh |
2020年度 | 13円/kWh | 17.76円/kWh | 21円/kWh | 25.82円/kWh |
2019年度 | 14円/kWh | 19.26円/kWh | 24円/kWh | 27.44円/kWh |
2018年度 | 18円/kWh | 19.34円/kWh | 26円/kWh | 27.23円/kWh |
2017年度 | 21円/kWh | 18.45円/kWh | 28円/kWh | 25.73円/kWh |
2016年度 | 24円/kWh | 17.47円/kWh | 31円/kWh | 24.31円/kWh |
2015年度 | 27円/kWh | 18.93円/kWh | 33円/kWh | 26.02円/kWh |
2014年度 | 32円/kWh | 20.31円/kWh | 37円/kWh | 27.49円/kWh |
2013年度 | 36円/kWh | 18.38円/kWh | 38円/kWh | 25.53円/kWh |
2012年度 | 40円/kWh | 16.5円/kWh | 42円/kWh | 23.44円/kWh |
余剰売電と自家消費型はどっちが投資対効果が高い?
「余剰売電」と「自家消費型」は、どちらの投資対効果が高いのでしょうか?
結論は、ケースバイケースで「昼間の電力使用量」「太陽光パネルの最大設置容量」「自家消費型限定の補助金」次第です。
それぞれの条件に対して、余剰売電と自家消費のどちらがお得か解説します。
昼間の電力使用量 | 太陽光発電が発電している時間帯の電力使用量が、 ・少ない:余剰がお得 ・多い:ケースバイケース |
---|---|
太陽光パネルの 最大設置容量 |
昼間の消費電力量に対する、太陽光パネルの設置容量が、 ・多い:余剰がお得 ・消費電力量と同程度か少ない:ケースバイケース |
自家消費型限定 の補助金 |
自家消費型太陽光発電のみが対象の補助金が、 ・ある:自家消費がお得 ・ない:ケースバイケース |
「昼間の電力使用量」「太陽光パネルの設置容量」の要素だけなら、余剰発電分を売電できる「余剰売電」を選択した方が投資対効果が高いケースが多いです。
3つ目の要素の「補助金」の影響が絶大で、特に本年度は各自治体が、自家消費型限定で高額の補助金を交付しております。
最適な投資判断は「判断する投資期間」によっても異なります。
短期回収を重視する場合は高額補助金を活用できる自家消費型がお得ですが、長期的な費用対効果は余剰発電の方が高いケースがほとんどです。重視ポイント次第で選択肢は異なります。
まずは、余剰売電と自家消費型の両方でシミュレーションし、数値を比較して意思決定しましょう。
▶ 余剰売電と自家消費型のシミュレーションを依頼!
自家消費型と余剰売電の投資シミュレーションを比較
自家消費型と余剰売電の投資対効果を比較してみます。
「利回り」「回収期間」「長期間の経済効果」など、重視ポイント次第で判断が異なるので、目的をイメージしながらご参照ください。
共通条件
・電気代単価:18円/kWh
・昼間の電力使用量:40,000kWh/年
・年間節電効果:72万円/年
自家消費型の条件
昼間の電力使用量と同量程度の太陽光パネルを設置。
・太陽光発電の設置容量:40kW
・年間発電量:42,000kWh/年
・初期費用:650万円(税込)
・補助金額:197万円(税抜き初期費用の1/3)
余剰売電の条件
太陽光パネルは、最大枚数設置。
・太陽光発電の設置容量:50kW
・年間発電量:52,500kWh/年
・余剰発電量:14,500kWh/年
・初期費用:780万円(税込)
・売電価格:13.2円/kWh(税込)
自家消費型 | 余剰売電 | |
---|---|---|
設置容量 | 40kW | 50kW |
年間発電量 | 42,000kWh | 52,500kWh |
初期費用(税込) | 650万円 | 780万円 |
補助金 | 197万円 | なし |
実質負担額(税込) | 453万円 | 780万円 |
年間節電額 | 72万円 | 72万円 |
---|---|---|
年間売電額 | なし | 19.1万円 |
年間経済効果 | 72万円 | 91.1万円 |
回収期間 | 6.3年 | 8.6年 |
---|---|---|
利回り | 15.9% | 11.7% |
20年間の経済効果 | 1440万円 | 1823万円 |
20年間の利益 20年間の経済効果– 初期費用 |
987万円 | 1043万円 |
◆ 投資シミュレーションの結果は?
・回収期間、利回り→「自家消費型が優位」
・20年間の経済効果→「余剰売電が優位」
という結果で、良し悪しを一概に判断することはできません。
自家消費型
自家消費型は高額補助金の対象となるケースが多く、初期費用を大幅に削減でき、結果的に「回収期間、利回りが高い」です。
余剰売電
余剰売電は初期費用が相対的に高価格ですが、売電収益の累積により「長期的な経済効果が高い」です。
◆ 結局、どっちが得なの?
結論は、重視するポイント次第です。
・短期回収を重視→「自家消費型」
・長期的な費用対効果を重視→「余剰売電」
ただし、余剰売電の場合は設置地域次第で「電力会社に支払う工事費負担金」が高額なケースもあります。
また、20年後の「売電価格は6~8円程度に激減」する可能性もあります。
自家消費型と余剰売電の2パターンの投資シミュレーションを比較し、戦略や目的を明確にしたうえで合理的に判断しましょう。
◆ キャッシュフローは?
上記シミュレーションは、余剰売電と自家消費型の比較が目的なので、簡素化して経費控除前の収益で試算しております。
実際の提案は、キャッシュ視点で判断できるシミュレーションを試算いたします。
▶ キャッシュフロー・IRRの試算方法はこちらをご参照下さい。
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エコ発電本舗の「取扱商品」「補助金情報」
蓄電池 | V2H | 太陽光発電 |
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ハイブリッド・全負荷型 単機能・全負荷型 |
V2H トライブリッド 給電器・充電器 |
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エコキュート | 補助金情報 |
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自家消費型太陽光発電システムの補助金・税制優遇
自家消費型太陽光発電システムの高額補助金
自家消費型太陽光発電システムに対して、自治体から高額の補助金が設定されております。
特に本年度は対象条件が「自家消費型の場合」と限定され、全量売電や余剰売電は補助金の対象外となるケースが多いです。
例えば、神奈川県の場合、自家消費型太陽光発電システムに対して、以下の2パターンで価格が低い方が適用されます。
・太陽光発電の発電出力1kWに対して7万円
・太陽光発電の導入総額の1/3
自家消費型太陽光発電システムの設置費用の総額が900万円の案件であれば、300万円も補助金が交付されます。
当たり前ですが、投資対効果は飛躍的に向上します。
例えば、
・設置費用:900万円
・年間の節電額:90万円
・利回り:10%
補助金適用後
・設置費用:600万円(900万円 – 300万円)
・年間の節電額:90万円
・利回り:15%
補助金を適用するだけで、利回りが5%も上昇する結果となり、投資案件としては非常に魅力的です。自治体によって補助金の詳細は異なりますので、設置場所の自治体かエコ発電本舗までご相談ください。
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自家消費型太陽光発電システムの税制優遇
自家消費型太陽光発電システムは税制優遇も申請できます。
太陽光発電システムは通常「17年間で減価償却」しますが、以下の税制優遇を利用することで早期に経費計上できます。
・中小企業経営強化税制:1年目に全額償却
・中小企業投資促進税制:初年度に30%償却
税制優遇は純利益が出ている場合にはメリットがあります。
全額償却の場合、初年度に導入総額を経費計上するので、その分の純利益が圧縮されます。
赤字になったら本末転倒なので、税理士や会計士とご相談のうえ、最適な税制優遇をご利用ください。
ちなみに、太陽光発電システムの減価償却期間は上述の通り通常は17年間ですが、自家消費型の場合は用途によってさまざまです。例えば自動車製造工場なら9年間、農業用設備なら7年と、用途次第でさまざまですのでご注意ください。
中小企業の場合は「中小企業経営強化税制」「中小企業投資促進税制」を活用しましょう。
中小企業の条件
・資本金または出資の総額が1億円以下
・従業員数が100人以下の個人事業主
補助金や税制優遇を勘案した、業界最安価格のお見積りをご依頼ください。
エコ発電本舗の「取扱商品」「補助金情報」
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全量・余剰・自家消費型太陽光発電システムの違い
全量売電の太陽光発電投資
◆ 全量売電の仕組み
・太陽光パネルの発電電力を「パワコン」で交流に変換
・「買取用メーター」を介して全ての発電電力を売電
・購入電力は「電力メーター」を介して「分電盤」に給電
売電価格が電気料金より高額であれば、全量売電の方が投資対効果が高いです。
◆ 全量売電の懸念
昨今の売電価格の低下と、電気料金の上昇により、新規の全量売電の投資対効果は非常に低いです。
2020年度以降は設置容量が50kW未満の場合、全量売電ではなく余剰売電が適用されます。
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余剰売電の太陽光発電投資
◆ 余剰売電の仕組み
・太陽光パネルの発電電力を「パワコン」で交流に変換
・「分電盤」を介して、まずは自家消費
・余剰発電電力は「買取用電力メーター」を介して売電
売電価格より電気代単価の方が高額の場合、全量売電より余剰売電の方が投資対効果が高いです。
◆ 余剰売電の懸念
太陽光発電の発電量30%を自家消費することが義務付けられており、昼間の使用電力が発電量の30%を下回る場合は利用できません。
昨今の自治体からの補助金、税制優遇は自家消費型のみが対象で、余剰発電の場合は対象外となるケースが多いです。
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自家消費型の太陽光発電投資
◆ 自家消費型の仕組み
・太陽光パネルの発電電力を「パワコン」で交流に変換
・「分電盤」を介して、全て自家消費
電力使用量と発電電力量が同量になるように、太陽光パネルの設置容量を選定する必要があります。
売電価格より電気料金単価の方が高額で、電力使用量が多い場合は、自家消費型太陽光発電システムが最も投資対効果が高いです。
昨今の太陽光発電に対する補助金や税制優遇は、自家消費型が条件となっているケースが多いので補助金も勘案した費用対効果の試算が必須です。
◆ 自家消費型の懸念
昼間の電力使用量が少ない場合は投資対効果が小さいです。
電力会社に電気を流せない場合は、逆潮流防止の施策に追加費用がかかります(逆潮流の詳細は後述)。
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まずは、余剰売電と自家消費型の両方で試算シミュレーションを行い、比較して判断しましょう。
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自家消費型太陽光発電システムの仕組み
自家消費型太陽光発電システムは、昼間の電力使用量を太陽光発電の発電電力でまかない、電気代の節約分が投資リターンとなります。
太陽光発電システムの設置方法は、以下の3パターンです。
1. 余剰発生型
◆ 余剰発生型の仕組み
グラフの余剰発電分(赤の部分)を電力会社に無償で譲渡するモデルです。
設置工事がシンプルなので工事費用などを勘案すると「最も投資対効果が高い設置方法」です。
ただし、多くの電力会社は無償譲渡を受け付けてくれません(管轄の電力会社や設置場所次第)。
太陽光発電の発電量は予測が難しく、一定以上の電力が流れると地域一帯が停電するリスクがあり、コントロールできないので電力会社は受け付けたくないのです。
◆ 電力会社に譲渡不可の場合
電力会社への譲渡ができない場合、電力会社側に電気を流せません。
逆潮流(電力会社に電気を流すこと)を防止するために「RPR(逆電力継電器)」という設備の設置が義務付けられます。
◆ RPRの動作の仕組み
RPRが逆潮流を検知すると、パワーコンディショナに動作停止の信号を発し、太陽光発電の動作を停止させます。RPRが作動すると、太陽光発電の発電電力を自家消費にも使用できないので、いちじるしく投資対効果が下がります。
電力会社に譲渡不可の場合は、RPRが作動しないように、以下パターン2,3の方法で太陽光発電システムを設置します。
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2. 最小デマンド型
◆ 最小デマンド型の仕組み
グラフのように、太陽光発電の発電量が電力使用量を上回らない程度の太陽光パネルを設置します。
太陽光パネルの設置容量は、電力使用量が最も低い時期に合わせる必要があり、投資対効果は極めて低くなります。
そもそも最適な太陽光パネルの設置容量を試算すること自体が困難で、法人であれば休みの日は電力使用量が非常に低く、発電量も時期によってはシミュレーション以上に大きくなることもあり、逆潮流を完全に回避することは不可能です。
結果的に、電力会社に譲渡不可の場合は、パターン3の「出力抑制型」の一択となります。
蓄電池を導入して、余剰発電分を蓄電し夜間帯に放電する方法もありますが、投資費用が高額になることと、蓄電池が満充電になれば、余剰発電分の行き先がなくなり、結局はRPRが作動してしまう課題は残ります。
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3. 出力制御型
◆ 出力制御型の仕組み
グラフのように、電力使用量を越えないように、発電電力を制御する「自動制御装置付きのパワーコンディショナ」を設置します。
◆ 自動制御装置とは?
自動制御装置の動作の仕組みですが、使用電力に対してどの程度の発電電力を出力するか「しきい値」を設定でき、使用電力に対して95%や90%など自由に設定できます。
当然100%に近い方が、発電電力を有効活用できますが、自動制御といえども、急激な電力使用量の変化に対応できないこともあり、しきい値を高く設定するとRPRが作動するリスクが高まります。
自動制御装置のしきい値は90~95%程度が一般的です。
◆ 自動制御装置の「しきい値」の決め方
RPRの「しきい値」設定
しきい値は、RPRと自動制御装置の2箇所での設定が必要です。
RPRのしきい値は、電力会社から指示があります。
RPRのしきい値が97%の場合、電力使用量に対して97%以上の発電量が出力されると、RPRが作動しパワコンが停止し、太陽光発電の稼働が止まります。
RPRのしきい値は、ある程度電力会社と協議できるので、できる限り100%に近いしきい値を勝ち取りましょう。
自動制御装置のしきい値は、「RPRのしきい値より、小さい値」に設定する必要があります。
ちなみに、RPRは「逆潮流を検知して、2秒で作動」します。
自動制御装置の「しきい値」設定
自動制御装置のしきい値は、RPRのしきい値と同様に「電力使用量に対する比率」です。
RPRのしきい値が97%であれば、自動制御装置のしきい値は97%未満にする必要があり、RPRのしきい値より大きな値に設定すると、RPRが先に作動し、太陽光発電が停止します。
自動制御装置の追従制御にかかる時間も重要なポイントで、RPRは逆潮流を検知後2秒で作動するので、2秒未満で追従制御が完了する性能が必須です。
まとめると、
・RPRのしきい値は、極力高く設定
・自動制御装置のしきい値は、RPRより小さく設定
・自動制御装置は、逆潮流から2秒未満での制御が必須
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PPAモデルの自家消費型太陽光発電システム
PPAモデルの自家消費型太陽光発電システムとは?
自家消費型を中心に「PPAモデル」での太陽光発電の導入が増えております。
PPAとは「Power Purchase Agreement(電力販売契約)」の略で、お客様とPPA事業者が直接電気の売買契約を行うことです。
従来の太陽光発電の設置モデルとは異なり、PPA事業者が「一定期間、太陽光発電の所有者」となります。
お客様は太陽光発電の発電電力を使用し、電気代をPPA事業者に支払います。
要は、太陽光発電設備の使用料金を、電気代としてPPA事業者に一定期間支払うわけです。
PPA事業者の所有期間は、概ね「10~20年程度」です。
一般的には電力契約によって、概ね以下の契約期間となります。
・契約電力が低圧(50kW未満):10~15年間
・契約電力が高圧(50kW以上):15~20年間
なぜ、契約電力が高圧の場合、PPA事業者との契約期間が長期化するのでしょう?
高圧の場合、すでに電気料金単価が安く、太陽光発電の利用による電気代の削減幅が小さいので、PPA事業者が十分な利益を獲得するのに時間がかかり、契約期間が長期化するのです。
PPA事業者との契約期間が満了したら、お客様に太陽光発電設備が譲渡され、その後は太陽光発電の発電電力は全て、お客様にご利用いただけます。
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PPAモデルの「メリット」
◆ 初期費用が無料
PPAモデルの最大のメリットは「初期費用が無料」で太陽光発電システムを導入できることです。
太陽光発電の導入時に現金を準備する必要がないので、導入の意思決定において財務状況を勘案する必要がございません。
ただし、銀行融資などローンを組むことでも、初期費用を削減する目的は達成できるのでPPA唯一のメリットとは言えません。
◆ 財務上オフバランス
初期費用削減が目的なら、PPAモデルを利用するまでもなく、銀行融資やローンで実現できます。
ただし、融資やローンには以下の懸念点があります。
・貸借対照表にて「負債」に計上される
・与信枠(融資限度額)が減ってしまう
PPAモデルより直接太陽光発電設備を導入する方が「投資対効果が高い」ので、バランスシートや与信に懸念がなければ直接導入した方がお得です。
太陽発電の導入目的が「ある程度の固定費削減」「企業のイメージ戦略」と、軽い内容であれば、PPAはリスクが少ないので理にかなっています。
◆ 財務処理が簡単
PPAモデルで太陽光発電を導入する場合は、電気料金の削減分を収益と考えるので、財務諸表上は損益計算書の「電気料金の支払い」が太陽光発電導入前よりも減少しているだけです。
償却資産税や減価償却費の試算が不要で、決算(確定申告)処理が簡単です。
◆ メンテナンスを丸投げできる
PPAモデルの場合、PPA事業者がメンテナンスを主導します。
直接購入する場合でも、設置業者にメンテナンスを委託できるので、PPAモデル特有のメリットではないですね。
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PPAモデルの「デメリット・懸念点」
◆ 投資対効果が低い
PPAモデルは、初期費用が無料などの利点がある一方で「お客様」「販売施工会社」「PPA事業者」と、3者を介するので「利益を3者で分ける」ことになり、直接太陽光発電設備を導入するより投資対効果が低いです。
そもそもPPAモデルの場合は「投資費用」が発生しないので、「投資対効果」の表現は的確ではないですが、「設備に太陽光発電システムを設置する」という「機会に対するリターン」を投資対効果と考えると、お客様が直接所有者となる方が機会対効果(投資対効果)は高いです。
◆ 補助金や税制優遇の対象外
本年度は多くの自治体から自家消費型太陽光発電システムのみを対象に高額の補助金が交付されております。
自治体により自家消費型太陽光発電システムの補助金の交付条件は異なりますが、PPAモデルでは補助金の対象外となるケースも多いので、補助金も勘案して投資対効果を比較しましょう。
◆ 余剰売電できない
電力使用量が少ない、または電力使用量の変動が激しい場合は余剰売電制度を用いた方が投資対効果は高いですが、PPAモデルを利用する場合は太陽光発電設備の所有者がPPA事業者なので売電収益はPPA事業者の収益となります。
太陽光発電設備の譲渡後はお客様が売電収益を享受できますが、FIT残期間がわずかので十分な収益を享受できません。
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結局、PPAモデルはどうなの?
◆ PPAモデルがお得なケース
電力使用量が多く、余剰売電より自家消費型太陽光発電システムの方が経済メリットが大きい場合で、且つ、銀行融資やローンを組むことが難儀な場合は「PPAモデルの利用が良い」かと思います。
◆ 直接導入がお得なケース
電力使用量が少ない、または電力使用量の変動が激しく、自家消費型太陽光発電システムよりも余剰売電の方が投資対効果が高い場合は、PPAモデルを利用せず「直接導入した方がお得」です。
自己所有モデルのメリット・デメリットは?
自己所有モデルは発電設備を施主が所有するモデルで、最も費用対効果が高い導入方法です。
自己所有モデルのメリット
昼間は太陽光発電の発電電力で使用電力をまかなうので昼間の電気料金はかかりません。また、PPAモデルのように第三者を経由しないので、余分な中間費用がかからず、高い費用対効果を実現できます。
自己所有モデルのデメリット
自己所有モデルの場合は施主が導入費用を支払うのでキャッシュ、融資の場合は与信が必要となります。また、導入後のメンテナンスも施主が責任を持って手配する必要があり、管理の手間やメンテナンス費用がかかります。
自己託送モデルのメリット・デメリットは?
自己託送モデルとは上図のように「太陽光発電システムの設置場所」と「発電電力の需要場所」が異なる導入モデルで、送電事業者の送電網を使用します。
自己託送モデルのメリット
電力の需要場所で自家消費型太陽光発電システムの設置場所が確保できない場合でも再生可能エネルギーを活用できCo2の排出量削減を実現できます。また、設置場所の制約がないので大規模発電所の設置が可能です。
自己所有のデメリット
自家消費型太陽光発電システムの導入費用やメンテナンス費用の他に託送料金がかかります。
また、送電線を活用するので、停電時に非常用電源としての活用はできません。
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太陽光発電の自家消費率を高める方法
自家消費型太陽光発電システムは、文字通り発電電力を自家消費することで電力会社からの購入電力量を削減し節電効果を得ることができます。
経済メリットは昼間の自家消費率に比例するので、昼間の消費電力量の安定化が非常に重要な要素です。
昼間の自家消費率を安定的に高める方法を紹介します。
蓄電池を活用する
蓄電池を導入することで、太陽光発電の発電電力を蓄電池に充電し、夜間帯など太陽光発電が稼働していない時間帯に蓄電池から放電することで、電力会社からの購入電力量を削減でき、さらに高い投資対効果を享受できます。
また、災害対策の面でも蓄電池は非常に有用です。太陽光発電の発電電力を活用できるのは昼間だけなので、夜間帯など太陽光発電が稼働しない時間帯の停電対策には蓄電池が必須です。
エコキュート(オール電化)を活用する
エコキュートやIHなどガス機器を電気機器に交換することで電力の自家消費率を向上できます。特に昼間にお湯を沸かすタイプのエコキュートを導入することで昼間の消費電力量を効果的に増加できます。
V2H、EV、PHEVを活用する
EVやPHEVなど充電可能なエコカーとV2Hを導入することで、車両を充電設備として活用できます。
昼間は太陽光発電システムの発電電力を車両に充電でき車両の走行に活用できます。また、夜間帯など太陽光発電が稼働しない時間帯は車両から設備に放電することで購入電力量を大幅に削減でき節電効果を向上できます。
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