太陽光発電のパイオニア　メガフロートに沸く山口の太陽光発電

山口は本州の最西端にある県で、中国地方に含まれる県のひとつです。県の東部を除いて海に面し、中心部には中国山地がそびえ立っています。平地が少なく、盆地が点在した地形が特徴です。

自然豊かな山口県では、10年ほど前から太陽光発電に取り組んできました。2002年には研究機構との共同でソーラー発電のモデルになる簡易発電設備を導入しました。これはダムにいかだを浮かせ、その上に発電モジュールを載せただけのものでした。

出力は20kWほどしかありませんでしたが、ダムの水質改善装置の電源として使用され、余った電力は中国電力に売電されていました。現在でも運用が続けられ、太陽光発電をPRするシンボルのような存在となっています。

こうした地道な県主導の実験から10年、三井不動産株式会社が山口県内へのメガソーラー建設に乗り出しました。
およそ13メガワットの出力を誇る大規模な発電所を山陽小野田市に建設することを計画し、2013年内にそのほか2か所の新規開設発電所を含めて、3か所のメガソーラーの稼働開始を目標にしています。3か所の合計出力はおよそ53メガワットになると見込まれ、国内でもトップクラスの総出力量になると期待されています。

一般家庭が年間で消費する電力の15,000世帯分に匹敵する発電量が太陽光によって賄えるわけですから、稼働開始後に理論通りの成果を残すことが出来れば太陽光発電の普及にはずみがつくことでしょう。
山口県は気候的や地形的に決して恵まれた環境とは言えませんが、長年に及ぶ地道な努力が実を結び、大きな計画が動き出しています。