ここ最近、太陽光発電システムと同時にエコキュートをご購入されるお客様が急増しております。
ここで、今一度エコキュート設置によるオール電化導入の経済的なメリットや基礎的な、概要を解説致します。
【オール電化住宅とは何か】家庭内のエネルギーをすべて電気でまかなう「完全電化製品化」住宅
★オール電化住宅の定義
説明を進めるにあたって、まず「オール電化佳宅」という言葉の意昧を明確にしておく必要があるでしょう。
わが国で最初のオール電化住宅は、大正時代の豪邸において、熱源をすべて電気エネルギーとした例があります。つまりオール電化住宅とは、このように住宅内のすべてのエネルギーを電気でまかない、ガス、石油、石炭、炭火などといった電気以外のエネルギーを一切使用しないものと定義されます。
この電化住宅に対して、古くから「電化製品にという言葉もよく使われていますが、これは家庭内で人がもともと手作業で行っていた炊事や洗濯といった仕事を機械で代行させるために開発された電気製品を指すもので、生活の近代化を推し進めた象徴的な存在でした。
そういう意味で家庭内の完全電化製品化と言い換えることもできますが、電化製品が家事の効率化、主婦の負担を減らすという魅力で普及したのに対して、オール電化は、クリーンで安全、そして快適という、高品質な暮らしへの期待が普及の後押しをしている点が大きく異なる点です。
そして最近の才-ル電化住宅では、給温には、深夜電力で湯を沸かすエコキュートと呼ばれるヒートポンプ式電気給湯器を使い、コンロにはIHクッキングヒーターを採用しているのが大きな特徴です。
【普及が加速するオール電化住宅】主婦に人気のエコキュートやIHクッキングヒーターの普及を後押し
★新築戸建て注文住宅の68%がオール電化
本格的な普及が始まったのは近年になってのことです。
2001年、従来のガス給湯や電気ビーター給湯器に比べて、大帽な省エネ効果と経済性を兼ね備えた、自然冷媒ヒートポンプ式給湯機(通称「エコキュート」)が登場したことが、オール電化を推し進める契機になります。さらにその後、IHクッキングビーターの安全性や清潔さが主婦層にロコミで広がったことも、普及を後押しする要因となっています。
なお、エコキュートについては、地球温暖化防止策として閣議決定された京都議定書目標達成計画(200ア年3月閣議決定)においても、「CO2冷媒ビートポンプ式給湯機の加速的普及を図るため、その導入に対する支援を行う」と明記されています。
実際、オール電化住宅の普及件数はここ数年、毎年50万件ほどの伸びで推移しており、平成20年度末(2009年3月時点)には330万戸を超えました。前年度の約270万戸から比べて22パーセント(60万戸)もの伸びを示したことになります。さらにこれを新築戸建注文住宅に限ってみると、オール電化を対象とした住宅ローンの余利優遇措置も後押ししてか、平成20年単年では、じつに68パーセントがオール電化を導人しているという調査結果もあるほどです。新規の分譲マンションや賃貸集合住宅、そしてリフォームでの採用も着実に増えていることから、全体としての替及はもっと高い数値になると考えられます。
【オール電化で省エネ、快適、安全】火を使わない安心感とクリーンな生活
オール電化住宅を採用する場合、どのような利点、欠点があるかを総合的に検討し、判断を下さなければなりません。
ここでは検討頂目の代表的なものを列記してみましょう。ここではとくに個人住宅(一戸建住宅)を主題とし、集合住宅(マンション、アパートなど)は参考程度の表現にとどめています。
ます何といっても、入居者の満足度の資料の一端からも、ランニングコストが安い経済性、快適性、安全性の傾向がきわめて高いことが分かりよす。このほかにも、利便性、環境性、耐久性なども挙げられています。
★安い深夜電力を利用する経済性
ます経済性においては、エコキュートを設置することで家庭でのエネルギー消費の約36パーセントを占める給湯を、電気料金の安い深夜電力でまかなうため、導入家庭の平均電気代が月1万4千円と、ガス・電気併用時に比べて安上がりになるとされています。
都市ガスに比べて料金が高めのプロパンガスの利用家庭でオール電化が進む理由もこのためです。
★掃除が簡単な快適性
快適性については、とくにキッチンにおけるIHクッキングヒーターの快適性がオール電化住宅の特徴といえます。それを列記してみると、
①ガス、灯油の燃焼時の不快な臭いが発生しない。また油煙も広がりにくく、室内が汚れすクリーンに保てる。
②プロパンガス、灯油の補充の手問が不要。
③消し忘れ防止などのコントロールの自動化ができる。
④調理台がフラット(平ら)で掃除が簡単、清潔に保てる。
⑤加熱のコントロールがしやすい。
⑥対面牛ッチンに向いている。
⑦燃焼に伴う水蒸気が発生しないので、湿気を抑えカビや結露が発生しにくい。といったことが挙げられ、主婦の間でIHクッキングビーターヘの関心が高いものうなづけます。
★火を使わない安全性
安全性においても、石油やガスなどとの比較から、電気のほうが安全との意識が高いことがうかがえます。
①石油ストーブのような転倒による火災発生の危険性が少ない。
②ガス漏れによる爆発事故のおそれがない。
③裸火による火災が防止できる。
④太陽光発電との連携が可能である。
この安全性への期待から、幼い子供や高齢者のいる住宅でのオール電化へのニーズが高くなっています。
ただ、電気の安全性に関しては、機器を正しく使っていることが前提となることは言うまでもなく、間違った使い方をすれば電気は大きな危険を伴うことも十分認識しておく必要があります。
【暮らしの安心、高齢化へも対応】セキュリティー設備や介護機器への対応がこれからの課題
★安心・安全が暮らしの品質評価に
近年ニーズの高い住環境テーマは安心・安全です。高齢化、核家族化による不安に加え、犯罪は年々増加し、かつその凶悪性も過激化しており、人々の不安を募らせています。そのため、住宅には安心な生活環境と安全な設備が期待されています。
とくにオール電化住宅では、その利便性、制御性、操作性を活用した安全システムの開発が要求されており、次のような具体的使命が求められています。
① 高齢化社会に対応した電気設備明るい照明、各種センサーにより自勤化した照明制御、操作しやすい設備と機器の開発。
② セキュリティー対策の電気設備防犯システム、火災警報システム、非常時の通報システムの高性能化。
③ 介護システムの電気設備ホームエレベーター、階段昇降機など需要に対応した普及。
④ 保守性のよい電気機器エコキュートのようにシステム化された給湯システムは、保守の面からも期待されています。
⑤ 耐震性、耐火性のよい電気設備法規の整備のもとに規格化された安全性の高い製品づくり。施工技術の向上も重要。
⑥ 信頼性の高い電気設備電気事業法、電気設備技術基準、電気用品安全法などに整合した品質のよい電気設備は信頼性が高い。環境性、耐久性も重要な課題。
⑦情報通信設備による迅速な対応携帯電話との連携システムは安心感に欠かせません。