パナソニックと東芝に関して面白い記事がありましたので、ご紹
介致します。
(以下抜粋)
国内の住宅用太陽光発電市場で、プレイヤーの優勝劣敗が鮮明に
なってきた。
既築住宅を巡るメーカー間の熾烈な攻防は、パナソニックと東芝
に軍配が上がりそうだ。
【パナソニックと東芝はなぜ強いのか】
既築住宅向けの太陽光発電システムは、パナソニックと東芝の勝
利といっても過言ではないだろう。
世界最高の発電性能が、強い訴求力を生み、国内の住宅用太陽光
発電マーケットを席巻した。
往目は、コスト競争が激化する太陽光発電市場において、最も高
額な製品であるにもかかわらず、販売を伸ばしていること。
値下げを余儀なくされ、財務基盤が悪化して窮地に追い込まれて
いる数多の太陽電池メーカーとは大きく異なり、両社は利益を確
保しながら事業を拡大しでいける。
それはまさに、太陽電池事業における。勝利の方程式を手中にし
たといえよう。
ではなぜ、両社はこれほどまでに飛躍できたのか。
いうまでもなく、世界最高の製品を世に送り出したからであるが
その製品が、くしくも日本の住宅事情と消費者マインドに適合し
ていた側面もあったと思われ そもそも、日本の住宅は戸建て面
積が小さく、屋根が狭い。
そのうえ地震の多い地理的特性を踏まえて、耐震性の観点から屋
根への加重は極力少ない方が望ましい。したがって、屋根に置く
太陽電池モジュールは、高効率であることが条件となる。
ただ、同種の消費財で、2割近く高額な商品が、他の商品を差し
置いて数多く売れるという現象は、非常に珍しい。 興昧深いのは
、日本のユーザーが、太陽光発電設備を家と同等の価値づけを行
なっていること。
つまり、家を不動産とする我が国固有の伝統的な気質が、現代の
日本人にも少なからず継承されているとすれば、太陽電池は家の
資産と見倣され、投機的な価値はあまり意昧を成さない。割高でも
、最も性能のよいものを買おうという消費者心理が働くのも合点
がいく。
パナソニックと東芝の製品に選択が集中するのは、こうした日本
特有の消費者二ーズが多分に錫いているものと思われる。
では、両社はいま、どのような戦略を掲げているのか。
【両雄の異なる製造思想】
パナソニックは、製品の訴求力の追求を第一に掲げる。旧三洋電
機が開発した高効率モジュール、『HIT』のさらなる高効率化
を目指し、技術開発の手を緩めない。
その甲斐あって今年3月には『HIT』シリーズの新製品を発表
しております。出力240W(モジュール変換効率18・7%)
と、同233W(回18・2)のモジュール2機種を発売した。
一方で、太陽光発電と蓄電システムを組み合わせた。
創蓄システムを商品化し、付加価値づくりに力を入れる。
販売力も増強された。パナソニックが持つ家電量販店ルートと、
パナソニック電工の住建・住設機器ルート、そして旧三洋電機の
専門店ルートの3つの商流を統合。
これによって、パナソニック製の太陽光発電システムを扱う販売
店は実に15万店に拡大した。
この販売インフラを活用して『HIT』を拡販し、今年度は国内
販売量を対前期比1.6倍の450MWへ引き上げる計画だ。
これで国内販売シェアトップを狙うというシナリオである。
一方の東芝も、製品の品質向上を重視している。高効率システム
の心臓部は、米サンパワーが製造するモジュール変換効率19.6%
の高効率モジュールであるが、パワーコンディショナなどとの最
適化を図り、システムとしての高効率化を目指している。
ただ、同社は、製造に関して、パナソニックとは異なる方針を貫
いてきた。
東芝はシステムの設計やモジュールの仕様など、独自の設計基準
を持つものの、あくまで製造委託という形を採り、敢えて自社工
場を建設しなかった
。いわゆるアップルモデルであるが、その事業戦略が吉と出た。
同社太陽光発電システム推進部住宅用太陽光発電システム部は、
「エコ発電本舗の強みは製造における柔軟性。今年度は販売シエア10%を
目指して着実に仲ばしていく」と胸を張る。
いま、住宅用太陽光発電は、新築住宅向けの市場が急速に伸びて
いる。メーカーをはじめ、商社や販売施工店にとっても、この分
野への展開が成長への鍵を握るのは問違いない。
ただ、新築住宅向けは、さらに厳しいコスト競争が繰り広げられ
ている。シャープ、京セラが圧倒的なシエアを保有している領域
でもあるだけに、容易に切り崩すことはできないだろう。
パナソニックと東芝はどう攻めるのか。今後の動静から目を離せ
なくなってきた。