エコキュートの設置メリットとデメリット
今回はエコキュートについて改めて解説いたします。
太陽光発電システムと抜群に拒性が良いとされる給湯機が「エコキュート」です。
「エコーキュート」という名前は、特定の会社の商品名ではなくさまざまな電力会社や給湯機メーカーが販売している、「自然冷媒(二酸化炭素)ヒートポンプ式電気給湯機」に対する愛称となっております。
【太陽光発電と相性が良い理由】
給湯機と太陽光発電が相性が良いというのは、いったいなぜなのか?
それは電気料金のしくみを上手に利用できるという点にあります。
各電力会社には「夜間の電気料金が安いかわりに、昼間の電気料金は高い」という時間帯別電灯契約があります。
エコキュートはコンピュ一ター制御によって電気料金の安い(電気の余っている)夜間の電力を使って、必要な分だけ湯をわかし、貯湯しておくことができるのです。
エコキュ一トをつくるメーカ一のーつ、パナソニックによれぱ、一般にガス給湯機の年間コストを4万8000円~14万円とすると、エコキュートの年問コストは1万2000円ほどとされております。
時間帯別電灯契約においては、昼間の電気料金は高いです。
しかし日中は、太陽光発電を使うことで電気料金をおさえることができます。
これが太陽光発電とエコキュートの相性が良いとされる最大の理由です。
なお、エコキュートの湯量や稼働時間は、コンピューターによる自勣制御が可能です。
貯湯ユニット内は水で満たされており、通常であれば、過去2週間のデ一タから判断された必要な分だけが湯にかえられます。
なお、多量の湯を急に使用する堀合は、手勣によるわき上げが可能です。
【空気の熱で湯をわかす】
そもそも、エコキュートはどのようなしくみで湯をわかすのだろう?
エコキュートは、エアコンの室外機のようなファンのついた装置と、貯湯タンクとの2装置より構成されています。
このファン付の装置こそが、要となる「ヒートポンプユニット」です。
ヒートポンプとは、電気を使って気体を圧縮させたり、膨張させたりするしくみのことです。
気体は圧縮すれば熟くなり、膨張すれば冷たくなります。この気体が「自然冷媒」です。
この気体に圧力をかけて130度に加熱し、膨張させて、マイナス30度にまで冷やしているのです。
ここでポイントとなるのは、熱は高湿のものから低温のものへと移勤する性質があるということです。
マイナス30度に冷やされた自然冷媒を大気と触れさせると、大気中の熟が自然冷媒ヘととりこまれます。
日本のほとんどの地域では、仮に冬であっても気温がマイナス30度を下まわることはないため、ヒートポンプは1年中いつでも、大気から熱をうばって、内部の目然冷媒に熱を取りこむことが可能です。
この装置にあるファンは、大気を積極的にヒートポンプに取りこむためのものなのです。
さて、そうして熱をとりこんだ自然冷媒は、さらに圧縮を加えることで、130度にまで温度を高めることができます。
今度はこの自然冷媒に水をふれさせればいいのです。
熱は高温の自然冷媒から、水へと移動します。
その熱によって、水の温度があがり、温をつくることができるのです。
これがエコキュートの原理です。
その後、自然冷媒をまた膨張させれば、マイナス30度まで温度が下がります。
エコキュートの性能をあらわす数値に「年間給湯効率」があります。
これは、ファンをまわしたり、汪縮のためのコンプレッサーを動かしたりするために使用する電力量を分母に、そして、ヒートポンプでつくる熱量を分子にして計算されるもので、一般的に3.0以上の数値になります。
年間給湯効率は商品選択のーつの目安となるでしょう。
年間給湯効率はいわば一定量の剛気からどれだけの熱をつくることができるかの指標です。 従来の電熱式温水器の年間給湯効率が1とされているので、エコキュートがどれだけ効率が良いかがわかるでしょう。
一方、エコキュートの課題として、設置スペースと導入コストがあります。
ヒートポンプユニットと貯湯ユニットの両方をあわせると、およそ0、80平方メートルの設置面積を必要とします。
そのため、マンションなどの集合住宅では、設計段階から組みこよないかぎり、導入はむすかしいです。
エコキュートの導入コストは60万~90万円と、ガス給湯機にくらべれば40万円以上高いです。
しかし、調理器具をIHにして、いわゆるオール電化住宅にすれば、電力会社による、オ一ル電化向けのさらに安価な料金体系が適用されます。
IH十エコキュートの導入コスト(ガス給温機を導入した場合との差額は、5~6年で回収が可能です。