★住宅用太陽光発電の普及促進策の変遷について
2度にわたる「石油ショツク」以降、エネルギーの確保は重要な国家戦略のひとつとなった。さらに「地球温暖化問題」は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの削減を各国に義務付けているのです。
こうした状況下で、日本は化石燃料を燃焼させる火力発電から新しい発電方式への転換を推し進めてきました。
その方向は大きく2つあります。
ひとつは二酸化炭素の発生量が少ない原子力発電所の増設。
もうひとつは風力、太陽光、水力などの自然エネルギーを利用した発電方式の拡大でした。
ことに太陽光発電は、曰本で蓄積された技術力が総合的に生かせるシステムとして注目され、その普及促進策がとられました。
1994年に始まった佳宅用太賜光発電システム設置への補助金制度は、まさにその一環だったといえます。
しかし、2006年度にこの制度が打ち切られると、需要の8割を占める住宅向け設置件数が急減すると同時にそれまで拡大し続けてきた日本の太陽光発電関連産業の伸びや、国際競争力も低下して
しまいました。
そこで政府は、2009年1月に捕助金制度を復活させるとともに、2009年11月からは「余剰電力の固定価格買取制度」を前倒しで実施。この施策によって、2009年度から殷置件数は再ぴ増加に転じ、2010年度は旧来に倍する設圈件数にまで復興しました。
福島第一原発の事故によりで原発増設のエネルギー政策が見直されるのは必至であり、住宅用太暦光発喝システム設置に対する普及促進政策は、今後も力強く推進されることは間違い無いと思います。
★太陽光発電システムがなぜ日本で注目されているのか??
あるエネルギ一がクりーンかどうかを判別する重要な目安のひとつに「CO2排出量」がある。この数値が少なければそれだけクリーンだと考えてよいです。
化石燃料を燃焼させる発陽方式は、おしなべてCO2排出量が多く、環境負荷が大きい。
しかし、CO2排出量が少ない原子力発電には、放射能汚染という大きなリスクがあることを、私たちは身をもって認識しました。
また、原料となるウランも、化石燃料と同様有限であり、可採埋蔵垂はあと60年余といわれています。
残るクリーンな自然エネルギーの中でち、太隠光発鰍が日本で注目されるのは、そのエネルギ一源(太陽光)に地域偏在性が少なく、しかも狭い国土にあって、建物の屋上や屋根などの空間が有効利用できるからです。
日本では住宅用途を中心に導入が進む傾向は、当面変わらないと思われいます。
★住宅用太陽電池の今後について
住宅用太陽尾池の普及に向けて課題とされているのが、価格の低減です。
現状、太陽光発電システム全体の価格は約50万円/kWで、発電コストは約42円/kWhです。これを、住宅などの低圧受電価格と等価です。
約24円/kWhにすることで、住宅用太陽電池の設置増が見込まれています。
さらに現状の工場など高圧受電価格と同じ約12円/kWhにすることで、工場での設置増加が期侍され、最終的には発電面格と同じ約7円/kWhにまで低減することを目指しています。
★注目を集めるスマートハウスについて
低炭累社会を目指すうえで、大いに注目されているのがスマートハウスです。
スマートハウスとは、太陽電池や蓄電池、高速光通信機能を持ったスマートメーターなどを備えて、これらと省エネに優れた家電などをつなぐことで、家庭内の消費電力を制御する近未来型住宅のことです。
このスマートハウスでは、昼間つくった電力を蓄電池に蓄え、夜問はその電力を使用します。
省エネ家電をネットワークでつなぎ、太陽電池の発電量にあわせて家庭内での消費電力を制御することで、電力を効率よく、無駄なく使うことができます。
エコであるとともに光熱費を削減できる経済性も兼ね備えているスマートハウス。スマートハウスを巡っては、官民によるさまざまな実験が行われており、早期の実用化と省エネヘの寄与が期待されています。