環境への配慮や化石エネルギー価格の高騰などの影響により、再生可能エネルギーへの期待が高まっています。実際に、再生可能エネルギーに関する技術の進化はめまぐるしく、実用化されているものも少なくありません。その中で、一般家庭でも取り入れやすいのが太陽光発電でしょう。今回は、住宅用の太陽光発電システムについて、その仕組みや導入のメリット・デメリットなどを、設置に必要な設備や費用などとあわせて解説します。
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太陽光発電の仕組み
太陽光発電とは、太陽光から電気を作り出すシステムです。発電のためには、「n型半導体」と「p型半導体」の2つの半導体を重ね合わせて作られた「太陽電池」が必要です。太陽電池に太陽光が当たると、n型半導体にはマイナスの電気を持つ「電子」が集まり、p型半導体にはプラスの電気を持つ「正孔」が集まります。2つの半導体は導線で結ばれており、導線を通じてマイナス極からプラス極へと電気が流れます。このように、太陽光が太陽電池に当たることで電気が作られるのが、一般的な太陽光発電の仕組みです。
▶ 太陽光発電の今年度の売電価格について
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一般住宅用の太陽光発電とは
太陽光発電は、さまざまなところで取り入れられています。メガソーラーシステムと呼ばれるような広大な土地を利用し、企業などが大きな電力を生み出すケースもあります。一方で、太陽光発電を取り入れている一般家庭も少なくありません。一般住宅用の太陽光発電も、基本的な仕組みは同様です。屋根の面積や形状などにあわせて太陽光パネルを設置し、自宅で使用する電力をまかないます。また、余った電力は電力会社への売却も可能です。
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住宅用太陽光発電のタイプ
説明したように、一般の住宅用太陽光発電を利用し家庭で使用する電力をまかなえる一方で、電力会社へ余った電気を売ることも可能です。しかし、余った電気を必ずしも売却する必要はありません。好みや考え方により、住宅用太陽光発電は大きく2つのタイプに分類できます。それぞれの特徴をみてみましょう。
▶ 太陽光発電の商品の価格や性能を比較
全量自家消費タイプ
太陽光発電により作り出した電気のすべてを自宅で消費するタイプは、「全量自家消費タイプ」と呼ばれます。売電価格やエネルギー価格などのバランスから、自宅で作り出した電気のすべてを消費した方が効率がよいと考える家庭で取り入れられることの多いタイプです。太陽光発電は、太陽光が降り注がなければ電気は作られません。また、売却しない場合は作られた電気の一部が無駄になるため、全量自家消費タイプを導入する際には、電気を貯めておける蓄電池の設置が推奨されます。
余剰売電タイプ
自宅で作り出した電気のうち、余った電気を電力会社へと売却することが可能なタイプが「余剰売電タイプ」です。電気を効率よく作り出せる家庭や消費電力量の少ない家庭の場合、売電による収入が得られます。売電は電力が使いきれなかった場合に限ります。そのため、現状では一般的な住宅で太陽光発電システムを導入する際には、余剰売電タイプが選ばれるケースが大半です。同タイプでも蓄電池は設置できるので、売電が可能なタイプを選択しておくに越したことはないでしょう。
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太陽光発電の買取制度とは
太陽光発電により作り出された電気は、自宅での家電製品などに使用可能です。すでに触れているように、家庭で使いきれなかった電気は電力会社へと売却、いわゆる「売電」ができます。太陽光発電のみで家庭で使用するすべての電力がまかなえなかった場合は、電力会社から電気を購入してまかなわなければいけません。あるいは、蓄電池へと電気を貯めておき、夜間などはそれを活用するケースもあるでしょう。
一般の住宅で作られた電気は、電力会社が一定期間において一定価格で買い取ってくれます。この制度が「固定価格買取制度」であり、「FIT制度」とも呼ばれています。この制度を利用し売電を行うには、あらかじめ決められた手続きが必要です。手続きを行えば、固定価格での買取が国により保証される点が、この制度の最大の特徴です。固定価格による売却が可能な期間は、設置した太陽光パネルの容量により異なります。10kW未満は10年間、10kW以上は20年間ですが、一般家庭では10kW未満の容量が大半であるため、10年間は固定価格で買い取ってもらえるという認識でよいでしょう。
また、FIT制度により売電可能な電気は余剰分のみである点も押さえておく必要があります。太陽光パネルのみを私有地に設置し、そこで作られた電気を売るなどして収入を得ることはできません。
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一般的な住宅に必要な太陽光発電の容量
一般住宅用の太陽光発電の容量は10kW未満が主流である点を説明しましたが、これは、世帯あたりの年間消費電力が十分にまかなえる容量であるためです。1世帯が1年間に消費する電力は、4200kWh程度が相場です。太陽光発電に使用される太陽光パネルは、1kWあたり年間で1000〜1200kWh程度の電気を作り出します。つまり、1世帯が1年間に消費する電力を4000〜5000kWhとした場合、一般住宅用の太陽光発電においては、4〜5kW程度の容量の太陽光パネルを設置すればよいことになります。
実際に、住宅用太陽光発電量の目安では、設置容量が4kWで1年間の発電量は4500kWh程度、5kWでは5700kWh程度となっています。家族構成や規模、エリアなどにもよりますが、一般的な家庭であれば、3〜5kW程度の容量を選択することになるでしょう。また、通常は太陽光パネルの容量が大きくなるほど導入のための費用も高くなります。売電による収入も期待し、つい大きな容量を設置したくなりますが、費用などとのバランスも考慮しつつ容量を選択しなければいけません。
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住宅用太陽光発電に必要な設備や機器
太陽光発電は、太陽光パネルを設置すれば電気が作られるというわけではありません。他にも、電気を作り、それを使ったり売電したりするための設備などが必要です。ここでは、住宅用太陽光発電に必要な設備や機器を紹介します。
太陽光パネル
屋根に設置し、太陽光から電気を作り出す太陽電池を搭載したパネルです。他にも「ソーラーパネル」や「太陽電池モジュール」などと呼ばれることがありますが、いずれも同じものを指しています。設置容量が大きくなるほど、必要な太陽光パネルの枚数や面積も増えます。太陽光パネルにはシリコン系や化合物系など種類がいくつかありますが、国内の一般住宅用ではシリコン系が主流です。シリコン系も、単結晶シリコンや多結晶シリコンなど、複数の種類が実用化されています。種類により変換効率や価格を含め、メリット・デメリットが異なる点も押さえておきましょう。
接続箱
太陽光パネルで作られた電気を集めて、パワーコンディショナへと送るための装置です。太陽光パネルからの直流配線を1本へとまとめる役割を担います。
パワーコンディショナ
太陽光パネルで作られた電気は直流電力です。それを、家庭用の電化製品などで使用できるよう交流電力へと変換するための装置がパワーコンディショナです。パワーコンディショナは屋外に設置されるタイプと屋内に設置されるタイプがあります。
分電盤
パワーコンディショナで交流電力へと変換された電気を、住宅内の配線へと分けるための装置が分電盤です。分電盤を経由することで、各部屋で電化製品が使用可能となります。また、売電する際に電気を送電線へと送る役割も分電盤が担います。
電力量計
電力量を計るためのメーターです。電力会社を通じて売買した電力量が確認できます。新たに太陽光発電を導入する際には、従来よりも電力量の確認がしやすい「スマートメーター」を設置することになるでしょう。
発電量モニター
太陽光による発電量や家庭内での消費電力、電力会社への売電量などの確認が可能なモニターです。モニターによっては、部屋ごとや時間ごとの消費電力の確認ができます。さまざまな情報の確認が可能であるため、節電や省エネに対する意識の向上にも役立つでしょう。
蓄電池
太陽光によって発電した電気を貯めておくための装置です。必須の装置ではないものの、蓄電池があれば、太陽光が出ていない日や時間帯であっても、自宅の太陽光発電により作られた電気を無駄なく消費できます。災害時に活用できるケースが多い点も蓄電池設置のメリットです。
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太陽光パネルの設置義務化について
自治体を中心とし、太陽光パネル義務化が進められています。再生エネルギーの利用拡大の推進に伴うものです。一例として、東京都では大手ハウスメーカーなどが供給する、床面積が延べ2000平方メートル未満の新築住宅が義務対象となっています。既存の住宅は対象外のため、現在住んでいる家に新たに太陽光パネルを設置する義務は課せられません。義務を課せられるのは工務店やハウスメーカーなどであり、住宅購入者ではない点も押さえておきましょう。とはいえ、太陽光発電にかかる費用は住宅購入者が負担する必要があります。
再生可能エネルギーの推進は今後も加速するとみられます。太陽光パネル義務化は、さまざまな自治体で推し進められ制度化されていくでしょう。自治体によって制度の詳細は異なる可能性があるため、新築住宅の購入を検討の際には、事前に確認が必要です。
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太陽光発電導入にかかる初期費用
太陽光発電の初期費用は条件等により変わりますが、容量1kWあたり25万円前後が相場といわれています。このうち、最も多くの割合を占めるのは、やはり太陽光パネルです。太陽光パネルは1kWあたり10〜15万円程度はかかるとみられます。工事や手続きにかかる費用も、5〜8万円程度は必要になるでしょう。一般的な家庭では、3〜5kWの容量の太陽光パネルの設置が主流です。単純に計算すると、3kWの場合では75万円前後、5kWでは125万円前後の初期費用が必要となります。メーカーや製品の種類、工法、その他条件等により大幅に上下するため、初期費用は余裕をもって計算し、予算に組み込んでおかなければいけません。
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太陽光発電導入後のランニングコスト
太陽光発電は、初期費用以外にもランニングコストがかかります。ここでは、太陽光発電導入後にかかる主要な費用についてまとめます。
メンテナンス費用
太陽光パネルは屋根に設置する住宅が大半です。黄砂や鳥の巣やフン、ほこり、その他落下物や風により飛ばされたゴミなどの清掃が必要になるケースがあります。太陽光パネル全体を清掃するのであれば、1回あたり5〜10万円程度が必要です。また、定期点検の実施も欠かせません。4〜5年に1回程度の定期点検が推奨されますが、1回あたりの点検費用は3〜5万円程度が相場となっています。傷をつけてしまうと発電ができなくなったり感電したりする恐れもあるため、メンテナンスは専門業者へと依頼しなければいけません。毎年必要になる費用ではないものの、少々高い費用となってしまうのは仕方がないでしょう。計画的にメンテナンスを行うため、事前の費用の確保が求められます。
システムの運転電気代
太陽光発電のシステムは、電気の力により稼働しています。そのため、システムの運転電気代がランニングコストとしてかかります。もちろん、この際の電力は太陽光発電によりまかなえるため、高額な電気代がかかるケースはないでしょう。しかし、容量や規模が大きくなるほど運転電気代が高くなる点は押さえておく必要があります。
修理や交換にかかる費用
太陽光パネルの破損やパワーコンディショナの故障などが生じた際には、修理や交換をしなければいけません。メーカーの保証期間内であれば無償で修理や交換ができますが、保証期間を過ぎている場合には費用が発生します。太陽光パネルであれば、1枚20万円前後はかかるでしょう。パワーコンディショナも1台20万円前後が相場です。修理の場合には、そのときどきの状態などにより必要な費用が異なります。
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撤去や廃棄にもかかるコスト
なんらかの理由により、太陽光パネルなどの設備や機器を撤去または廃棄する際にも費用がかかります。規模などにもよりますが、撤去や廃棄には15万円程度の費用が必要でしょう。導入時に撤去や廃棄について考えておく必要はほとんどないものの、太陽光発電システムは住宅の仕様などにかかわる大規模なものとなります。そのため、さまざまな状況で発生する費用に関しては、ある程度把握しておきたいところです。
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太陽光発電にかかる費用を左右する要素
太陽光発電の導入費用は、さまざまな条件により変わります。ここでは、太陽光発電にかかる費用を左右する要素をいくつか紹介します。
メーカーや太陽光パネルの種類
太陽光発電に使用する太陽光パネルは、さまざまなメーカーから販売されています。当然ながら、メーカーごとに価格が異なります。また、同じメーカーでも太陽光パネルの種類により価格は上下するため、予算や住宅に合ったものを選択しなければいけません。太陽光パネルの種類により異なるものの一つに、変換効率があります。同じメーカーであれば、変換効率の高い太陽光パネルほど価格も高くなるでしょう。
屋根の形状や材質
日本の住宅の屋根には切妻屋根や片流れ屋根、寄棟屋根や方形屋根など複数の形状があります。片流れ屋根は、1枚の屋根が建物に斜めに載せられたような形状をしています。1面のみの設置となるため、太陽光パネルの設置コストは安く済むでしょう。南向きに屋根や太陽光パネルが設置できれば、発電効率も高まります。屋根の形状により利用可能なメーカーも変わり、選択肢が制限されるケースも出てきます。屋根材も瓦や金属、草木系などさまざまですが、一部の素材では太陽光パネルの設置ができません。設置できる場合でも、例えば、フラットな金属製の屋根と比べて、瓦屋根では設置費用が高くなる傾向があります。
太陽光パネルの施工方法
太陽光パネルを屋根に設置するための工法には、いくつかの種類があります。アンカー工法や支持金具工法、支持瓦工法などが一般的です。それぞれ使用する器具なども異なるため、工法により必要な費用も異なります。この3つの中では、支持瓦工法がもっとも工事費用が高く、アンカー工法がもっとも安くなるでしょう。施工方法によっては雨漏りなどのリスクも生じるため、費用だけではなく屋根との相性なども含め慎重な選択が求められます。
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太陽光発電に関連した補助金制度
太陽光パネルの設置費用など、太陽光発電にかかる費用をサポートする目的として、国や自治体が補助金制度を実施しているケースがあります。しかし、適用されるためには条件が設けられており、太陽光発電の導入に伴って、どの家庭でも利用できるというものではありません。利用の際には、事前の条件確認が不可欠です。また、各補助金制度では、あらかじめ予算が設定されています。申し込み数が多く、その予算を超えた場合は、その年度の補助金制度が利用できなくなります。基本的には先着順となるため、補助金制度の受付が開始されたら、早めに申し込みましょう。
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太陽光発電導入の費用を回収するまでの期間
一般的な家庭が1日で消費する電力は、12〜15kWh程度といわれています。一方で、太陽光パネルの容量1kWあたりの発電量は、1日あたり3kWh程度です。一般的な家庭では、3〜5kWの容量の太陽光パネルが設置されるでしょう。単純に計算すると、太陽光発電による発電量は1日あたり9〜15kWhとなります。一般家庭において、通常の電気使用量であれば、太陽光発電のみで十分に電力をまかなえる計算です。太陽光発電の導入により節電意識が高まれば余剰電力も生まれやすくなり、売電による収入も得られます。
一方で、一般家庭からの電力の買取価格は年度により異なり、徐々に下がっている点は押さえておかなければいけません。2012年度は1kWあたり42円の買取価格だったものの、2021年度には19円と、はじめて20円を下回りました。2022年度は17円となっており、今後も下がるとみられます。ただ、太陽光発電のみで自宅で使用するほぼすべての電力がまかなえれば、これまで支払っていた電気代は一切かかりません。売電と電力会社から電気を買う必要がなくなった2つの効果により、10年程度で初期費用の回収が可能とされています。
太陽光発電の設備の法定耐用年数は17年です。しかし、太陽光パネㇽの寿命は25年とも30年ともいわれています。メンテナンスなども定期的に行っていれば、新たに大きな費用を追加しなくて済むので、やはり10年前後で初期費用は回収できるでしょう。
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太陽光発電導入のメリット
太陽光発電が注目され一般家庭にも普及しているのは、さまざまなメリットがあるためです。ここでは、太陽光発電の代表的なメリットを紹介します。
電気代が節約できる
太陽光発電の最大のメリットは、電気代が節約できる点です。自宅で使用する電気の多くを太陽光発電でまかなえ、場合によっては電気代ゼロを実現できる家庭もあるでしょう。導入のための初期費用やメンテナンス費用はかかるものの、回収は可能であり、総合的にみれば経済面で大きなメリットがあるといえます。
売電収入が得られる
自宅で使いきれなかった電気を電力会社に売ることで、収入が得られます。売電による収入はそこまで多くはならないものの、電気代がかからずに収入も得られるとなれば、やはり経済面では大きなメリットとなるでしょう。
停電時でも電気が使用できる
日本は地震大国であり、台風にもしばしば襲われます。また、原発の再稼働が滞れば国から節電を要請されたり、場合によっては計画停電なども実施されたりしかねません。そのような停電時や緊急時でも、太陽光発電を導入していれば、自宅で電気が使える可能性が高まります。蓄電池も併用すると、より停電時への備えとしての安心度を高められるでしょう。
環境保全への意識が高まる
太陽光発電は、再生可能エネルギーの利用による発電です。発電そのものはCO2を排出しないため、地球温暖化など環境を悪化させかねない変化を防ぐ取り組みの一助となり得ます。そのような取り組みにより環境保全への意識を、さらに高められる効果が期待できるでしょう。
住居スペースを制限せずに設置できる
太陽光発電の導入にはさまざまな設備や機器が不可欠ですが、最も多くの面積を必要とする太陽光パネルは屋根の上に設置します。住居スペースを太陽光発電用の設備などで埋めてしまうことはほとんどありません。住宅を有効活用しながら、十分な量の電気を作り出せる点もメリットです。
メンテナンスなどが最小限で済む
太陽光発電導入後は、メンテナンスなどのランニングコストがかかります。しかし、大きな故障などがない限りは、最小限のメンテナンスで済みます。太陽光パネルの寿命も通常であれば20年や30年を超えるため、大掛かりな交換や修理はあまり必要としません。少なくとも、個人で行わなければならないメンテナンスはほとんどないため、維持管理に手間もかからないでしょう。
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太陽光発電導入で懸念されるデメリット
太陽光発電導入によるさまざまなメリットを認識しておく一方で、導入前には、デメリットやリスクも把握しておかなければいけません。ここでは、太陽光発電導入で懸念されるデメリットを紹介します。
費用がかかる
すでに具体的に触れていますが、太陽光発電の導入には費用がかかります。多くの住宅では初期費用だけで100万円以上はかかるでしょう。しかし、補助金制度などを上手に活用できれば、初期費用は大幅に抑えられます。大きなデメリットや負担となるかどうかは、家庭や住宅の事情、タイミングによるといえそうです。
発電量は天候に左右される
太陽光発電が太陽光を利用し電気を作り出すものである以上、発電量は天候に左右されてしまいます。また、季節や地域によっても発電量は異なるでしょう。曇りや雨の日が続けば、その分、発電量は少なくなります。自宅で使用する電力のすべてをまかなえなければ、電力会社から電気を買わなければなりません。導入時には、発電量を左右する日照時間や気温、周囲の環境なども確認しておきましょう。
自然災害による故障や破損の可能性がある
太陽光パネルの寿命自体は30年以上と長いものの、台風や地震などの自然災害により故障するリスクは常にあります。自然災害の多い日本ではなおさらです。仮に被害に遭ってしまい、その後も太陽光発電を利用するのであれば、パネルなどの交換が必要です。保証期間内であっても、自然災害による故障などは保証対象外としているメーカーが大半でしょう。自然災害による故障や破損に備えるには、住宅用火災保険など他の保険に加入しておかなければいけません。
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太陽光発電の将来性
太陽光発電を導入する際に気になるのは、今後の動向や将来性でしょう。太陽光発電は屋根に太陽光パネルを設置するなど大掛かりな設備を伴い、何十年も運用するものであるため、将来性が見込めなければ導入が難しいと考える人もいます。また、電力の買取価格が年々下がってきていることから、初期費用の回収が難しいのではないかといった声も少なくありません。しかし、太陽光発電の導入にかかる費用も下がってきているため、長く運用していれば初期費用の回収そのものは可能とする見方が大勢を占めています。
さらに、今後は太陽光から電気を作り出す際の変換効率が、従来よりもはるかに高い太陽光パネルも登場するでしょう。パワーコンディショナも、徐々に小型化・効率化するとみられます。加えて、屋根だけではなく壁などにも設置可能な軽く薄い太陽光パネルの開発も進められています。こうした動向から、太陽光発電の将来性は決して暗くはないといえそうです。ただ、太陽光発電を導入する際には、住宅の規模や生活スタイル、予算などを十分に考慮し、既存のメーカーや製品、補助金制度から適切なものを選択する必要があります。太陽光発電関連の情報をこまめに収集し、タイミングなども見計らったうえで導入すると、より大きな恩恵を享受できるでしょう。