2023年6月から東京電力などの電力会社が電気代の値上げすることを発表しました。燃料の調達コストの高騰に伴い、将来的に日本全体で電気代の値上げが予想されているため、いかに電力を有効活用するかが重要となります。こういった背景かで誕生した電気の有効活用方法が、「V2H」です。本記事では、V2Hを導入する際に利用できる国や自治体の補助金、申請方法、注意点などについて詳しく解説します。
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そもそもV2Hとは
V2Hとは「Vehicle to Home(乗り物から家へ)」という意味です。「Vehicle(ヴィークル)」は、車やバスなど乗り物全般を指し、「2」はtoを表現しやすく数字に置き換えています。V2Hを導入するためには、専用機器が必要です。ここでは、V2Hにはどういった効果があるのかについて解説します。
電気自動車を使用していないときの電気を有効活用
電気自動車(EV)は、新エネルギー車(NEV)やクリーンエネルギー車(CEV)などに含まれている自動車で、ガソリンを使用しません。ただ、電気が大量に必要になります。そこで、電気自動車を使用していないときは充電したバッテリーがもったいないため、「その電力を家庭で活用しよう」という考え方がV2Hです。
地球温暖化防止にも貢献
日本政府は、カーボンニュートラル宣言をしています。カーボンニュートラルとは、環境省が発表した「2050年までに温室効果ガスの排出を0にする」という宣言のことです。温室効果ガスは、何かを作り出す際にやむを得ず排出されている二酸化炭素などのことを指します。カーボンニュートラルの考えでは、そういった温室効果ガスを排出した分だけ、吸収・除去して差し引き0にします。温室効果ガスの排出が減少すれば、地球温暖化防止にもつながるため、V2Hは環境面でも貢献できる仕組みです。
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V2Hを導入するメリット
V2Hを導入することで、主に以下の3つのようなメリットを得られます。
電気代の節約
前述したように、2023年6月から東京電力などの電力会社が電気代の値上げを発表しています。電力会社との契約プラン次第では、節約も可能ですが、電気自動車は動かすために大量の電気が必要です。自動車メーカーや電力会社が提供する充電サービスもありますが、一般的に電気自動車を1回充電するためには数時間以上かかります。もし、急速充電したとしても早くて30分程度です。
万が一の際には非常用の電力として使用できる
電気自動車に使用されているバッテリーは、車を動かせるほど大容量となります。そのため、普段から家庭用電気として使用できるようにしておけば、万が一災害などが起こったときでも非常用電力として有効活用が可能です。
太陽光発電をしている家庭では電力を有効活用できる
近年の電気代の高騰に伴い、太陽光発電を導入する家庭も少なくありません。初期費用は100万円単位の費用が必要になりますが、太陽光発電で電力を作れるため、将来的に電気代節約につなげることが期待できます。停電があった際にも、発電した電気を蓄電しておけば、非常用として活用ができるでしょう。また、日常で売電している場合は別ですが、使いきれない電力を電気自動車に蓄電すれば有効活用することが可能です。
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V2Hを導入する際に必要なもの
V2Hを家庭に導入するためには、さまざまな専用機器の設置が必要です。V2H対応の電気自動車を使用していることは、大前提ですが、それ以外で導入前に用意しなければならない機器には、以下のようなものがあります。
専用の電流変換機器
電気自動車に使用する電力を家庭用として使用するため、「車から家庭用に」「家庭用から車用に」と電流を変換できる専用機器が必要です。電気自動車の専用電気は「直流」、家庭用電気は「交流」といいます。つまり、家と電気自動車の間に入るV2Hの重要機器といっても過言ではありません。専用機器の費用は、代表的なものを例に挙げるとスタンダードタイプで約55万円、プレミアムタイプで約99万円です。
太陽光発電システム推奨
「必須」ではありませんが、V2Hと太陽光発電システムを連携させられれば最大に有効活用が期待できるでしょう。これは、太陽光を活用すれば電気代節約につながり、カーボンニュートラルの観点からも推奨されているからです。ちなみに、太陽光発電システムのなかには初期費用が無料(足場などの費用は別途必要)になるものもあるため、導入を考えている人はチェックしてみましょう。
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V2Hを家庭に導入する際の流れ
V2Hを利用するためには、専用機器の購入や設置が必要です。ここでは、V2Hを家庭に導入する場合の簡単な流れについて見てみましょう。
V2H対応の専門施工会社に相談する
V2Hを導入するためには、電力会社に許可をもらう必要があります。そのため、V2H対応の専門施工会社に相談することが最初の工程です。施工会社の担当者に訪問してもらったうえで、V2Hの専用機器を設置する場所や配線について話し合い、見積もりを出してもらいましょう。
施工会社と契約および関連書類の申請・提出
V2Hを導入するための施工に関する各種申請は、依頼した施工会社で行ってくれるケースが多い傾向です。こちらについても、契約する際に説明があります。太陽光発電システムがすでに導入されていれば、V2Hを導入するための電力申請のみですが、システムを導入していない場合は電力申請に加えて事業計画変更申請も必要です。この2つは、申請してから工事するまでの期間が異なり、電力申請のみであれば約1~2カ月かかります。一方、太陽光発電システムをまだ導入していない場合は約2~6カ月必要です。
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V2Hの設置と配線工事
申請して電力会社からの許可が得られたあと、V2Hの専用機器の設置と配線工事が開始されます。工事完了後にV2Hを利用することが可能です。
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V2Hの電流変換機器を選ぶ際に注目したいポイント
V2Hの電流変換機器は、さまざまな種類があり費用も異なります。また、機器によって機能も異なるため、各家庭で必要なポイントを押さえたうえで選ぶことが大切です。
#V2Hの電流変換機器は系統連系が主流V2Hを家庭に導入する際に必須なのが、電気自動車と家庭で電力を相互利用するための電流変換機器です。こちらは、「系統連系型」「非系統連系型」の2種類があります。主流になっているのは、系統連系型です。系統連系型は、V2H導入に必要になる電気自動車や電力会社から送られる電力、太陽光発電の電力すべてを同時利用できます。一方、非系統連系型は3つを同時に利用できないため、利用できるものをいずれか1つ選択することが必要です。つまり、電気自動車の電力を家庭に供給している間は、電力会社や太陽光発電システムで得た電力が利用できません。
#V2H機器の種類によって電気の使用方法が異なるV2Hの電流変換機器によって、停電時などの電気自動車の大容量バッテリーに充電した電気の使い方が異なります。電気の使用方法は、「特定負荷型」「全負荷型」の2種類です。特定負荷型は、停電が起きたときにバッテリーの電力をどこに送るか決めておくタイプになります。例えば、停電時には生活に最低限必要な冷蔵庫や照明、コンセントに送り、そのほかには電力を送りません。この場合、真夏や真冬にエアコンなどを使いたくても、停電の間は我慢する必要があります。
ただ、コンセントに電力が送られる設定になっていれば、延長コードを使って必要な家電を使用することが可能です。全負荷型は、停電時に家にある電気回路すべてに電力を送るタイプです。つまり、停電時でも普段と変わりなく生活できます。
最大出力が大きいほど使用できる電力が多い
V2Hの機器によって停電時に使用する電力の出力値が異なるため、この点も注意が必要なポイントです。出力値が高いほど使用できる電力が多くなります。「停電時にどの程度の電力が必要になるのか」を考慮したうえで、決めなければなりません。
倍速充電の有無
電気自動車へ充電する際、通常充電では数時間、急速充電では最大30分ほどかかります。V2H専用機器は、一般的に充電に使用されているコンセントと比較して2倍程度の速度で充電が可能です。うっかり充電し忘れていたときでも、こういった機能があれば便利でしょう。倍速充電機能があるタイプは、家庭での使用電力も常にモニターしているため、電気自動車を急速充電したからといって自宅のブレーカーが落ちてしまうことも避けられます。
太陽光発電システムがある場合は便利なグリーンモード付きを
グリーンモードは、太陽光発電システムがある場合に付いていると便利な機能です。太陽光発電による電力量や家庭での電力消費量をモニターし、家庭での電力消費量が多すぎる場合は太陽光発電から供給、太陽光発電での発電量が少なければ電力会社から電力を自動購入します。
リモート操作機能の有無
通常、V2Hの手動操作が必要になる機会はほとんどありません。そのため、操作パネルが機器本体に付いているケースが多い傾向です。しかし、停電時などには手動操作が必要になることもあるため、リモート操作機能があるほうが便利でしょう。機器の種類によって異なりますが、スマートフォンと連携して操作したり、操作パネルを機器本体ではなく、操作しやすい場所に設置したりといった工夫をしておくのがおすすめです。
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V2Hの導入は購入か契約かでコストが異なる
V2Hを導入する際には、電流変換機器の本体にどのような機能があるかで費用が異なります。前述したように、スタンダードとプレミアムでは倍近く費用が異なりますし、機器を購入するのか、レンタル(契約)するのかでも異なります。
V2H専用機器を購入する場合
専用機器を購入した場合、上述したように約55万円や約99万円といった数十万円単位でのコストがかかります。加えて、太陽光発電システムの導入もするとなれば、数百万円ほどの初期費用が必要です。太陽光発電システムも導入する場合は、足場を組むなど工事費用も高額になる可能性があります。そのため、まとまった初期費用がかかると考えておく必要があるでしょう。長い目で見ると費用面では定額利用より安価となりますが、導入後にメンテナンス費用がかかることも忘れてはいけません。
定額利用する場合
V2Hの専用機器を定額利用する場合は、V2Hの工事費用が無料になるタイプもあります。そのため、上手に活用すれば定額費用のみで導入することも可能です。定額費用の一例を挙げると、スタンダードタイプで月額約1万円、プレミアムタイプで月額約1万4,000円などがあります。また、専用機器のメンテナンスについても定額利用の場合は定期メンテナンスや自然災害補償があったり、機器や工事の保証があったりと安心です。
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V2H導入の補助金は国と自治体に申請可能
V2Hの導入を検討する際には、「補助金がどの程度利用できるのか」について気になる人も多いのではないでしょうか。補助金は、経済産業省(国)からのものや自治体からのものがあります。
国の補助金は最大115万円
V2Hの補助金については、毎年経済産業省が発表しています。2023年度の国からの補助金は、最大115万円です。内訳は、V2Hの専用機器を購入する費用分が購入金額の2分の1(最大75万円まで)、工事費用分が最大40万円までとなっています。
自治体の補助金はそれぞれに異なるため要確認
自治体からのV2Hの補助金は、それぞれに異なります。以下では、自治体の補助金の例を確認していきましょう。
東京都杉並区
V2Hの急速充電設備が最大50万円、普通充電設備は最大10万円です。いずれかを選択する必要があります。
新潟県佐渡市
電気自動車等用V2H充電設備に対して上限37万5,000円、充電インフラ設備に対して普通充電設備が最大17万5,000円、急速充電設備が最大30万円です。
福岡県福岡市
V2Hの専用機器に対して最大20万円となっています。
自治体によっては、太陽光発電システムの補助も行っています。
▶ CEVのV2H補助金の詳細はこちら
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国や自治体以外の補助金「DER補助金」
国や自治体の補助金以外にも、DER補助金というものがあります。
実証事業への参加が必須
DER補助金は、国の一般社団法人環境共創イニシアチブによる3年間の実証事業参加や太陽光発電システム、蓄電池、HEMSの購入が必須条件です。同事業の参加は、年1回1週間程度、充放電の遠隔操作が行われます。簡単にいえば、その実証事業に参加するお礼金のようなものが補助金です。また、蓄電池については対象のものでなければなりません。
受付期間と補助金額
2023年1月31日~2023年12月22日まで受け付けており、V2H本体の購入費用に対して設備費が上限75万円、工事費用が定額40万円の補助金を受けられます。
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補助金を申請する際の注意点
V2Hの導入費用の一部を補助金で賄えるため、その分だけ導入費用を抑えることが可能です。ただ、補助金の申請をする際にはいくつかの注意点もあります。
補助金の締切日厳守
V2Hの補助金を申請する場合は、締切日があるため厳守しましょう。例えば、2023年度における国のV2H充電インフラに関する補助金の受付は、2023年3月31日~10月31日までです。自治体の締切日は、それぞれに異なるため、利用する自治体へ確認しておきましょう。また、V2Hの補助金は国・自治体のどちらの場合でもあらかじめ予算が決められています。つまり、その予算内に対してのみ補助金を支給している状態です。そのため、申請すれば必ず受けられるものではないため、注意しましょう。補助金の受付が開始されてから、なるべく早い段階で申請しておくのが無難です。
補助金の条件や上限額は毎年更新されるので確認を
V2Hの補助金は、国・自治体のどちらも年度によって条件や上限額が更新されています。年度によっては、補助金を受けるための条件が変更されていたり、上限額が増減されていたりするため、事前に確認しておきましょう。補助金の条件だけではなく、申請方法も確認必須です。補助金の申請方法は、自治体によって異なりますが「V2Hの専用機器購入前でなければならない」「発注などは審査後でなければならない」といったケースもあります。条件を満たしていない場合は、補助金の対象外になる可能性があるため、注意しましょう。
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V2Hの補助金の申請はオンラインで行う
V2Hの補助金の申請は、オンラインで可能です。一般社団法人次世代自動車振興センターの公式ページで指示に従って申請しましょう。申請は、本人が行わなければならないため、あらかじめ必要書類などを用意しておく必要があります。通常、申請から1~2カ月ほどで補助金の交付決定通知書が発行されるため、それ以降であれば設置工事に取りかかることが可能です。
申請に必要な書類
申請前に準備が必要なものは、以下の通りです。詳細は、申請ページで確認できます。平面図や配線ルート図など、施工会社に用意してもらえるものもあるため、相談しておきましょう。
・補助金の申請に必要な書類は運転免許証など本人確認書類
・施行会社に出してもらった見積書
・施工前の設置場所の写真(障害物がない状態)
・設置場所の見取り図(自宅の敷地全体や設置場所の位置がわかるもの)
・平面図
・配線ルート図
・電気系統図
・設置場所の名称(自宅であれば個人名)
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V2Hの導入までの流れ
ここでは、V2Hを導入するまでの流れを7つのステップで紹介します。
1.施工会社に相談
まずは、V2Hの対応が可能な施工会社に問い合わせて現地調査や見積もりなどを出してもらいます。
2.オンライン申請
前述したように、まずは補助金のオンライン申請をしましょう。
3.交付決定通知書の発行
オンライン申請後に提出書類などのチェックが行われ、問題がなければ補助金の交付決定通知書が発行されます。
4.V2Hの発注と工事
補助金の交付決定通知書を受け取ったあと、施工会社へV2Hを発注し、工事を開始します。
5.施工会社に工事費などの支払い
工事完了後にV2Hの機器の設置工事にかかった費用を支払います。
6.工事の実績報告申請
工事完了後に忘れずに行わなければならないのが工事の実績報告です。こちらもオンライン申請できます。申請後に審査や補助金額の確定などが行われ、確定通知書が発行・送付されるので確認しましょう。
7.補助金を受け取る
不備がなければ、補助金を受け取るまでの期間は工事の実績報告申請から2カ月前後です。
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V2Hの工事にかかる期間は数日程度
一般的に、V2Hの設置工事にかかる期間は、工事開始から数日程度の傾向です。設置工事の流れなどについては、施工会社から説明がありますが、こちらでも簡単に解説します。
1.問い合わせと現地調査
施工会社(V2H対応会社)に問い合わせたあと、都合のよい日に現地調査のための訪問があります。この際、設置希望場所に実際に設置できるかどうかを確認しますが、できない場合は新たな設置場所を考えなければなりません。
2.電力申請や事業計画変更申請などの許可申請
V2Hの設置が決定した場合、施工会社が電力申請や事業計画変更申請などの許可を得るための書類作成や申請を行います。許可が得られるまでの期間は、太陽光発電システムがすでに設置されている場合で約1~2カ月、設置されてなければ約5~6カ月必要です。
3.補助金の申請や交付決定通知書の受取
補助金を受け取りたい場合は申請し、交付決定通知書の発行・送付を待ちましょう。
4.工事開始(基礎工事)
最初に設置場所の基礎工事を行います。基礎工事は整地をしたあと、コンクリートを設置することが多い傾向です。雪が多い地域の場合は、高さのあるコンクリートブロックが使用されるケースもあります。
5.配線工事
基礎工事後にV2H機器から自宅の分電盤までの配線工事を行います。この際、一時的に電気が止められるため、パソコンなどを使用している場合はバックアップしたり、事前に電源を切っておいたりするほうが安心です。
6.ブレーカーやスイッチなどの取り付け
配線工事後に行われるのがV2H専用のブレーカーの設置と、ブレーカーを自動でオンオフする切替スイッチの取り付けが行われます。これらは、屋内に設置するものです。
7.V2H機器の本体を設置する
あらかじめ基礎工事を終えた設置場所にV2Hの本体機器を設置して、配線をつなぎます。設置後には、漏電や接続ミスがないかなどをチェックも必要です。さらに、契約内容によってはスマートフォンやパソコンなどでV2Hの消費電力量や太陽光発電の発電量などを確認できるように通信設備を設置します。
8.動作確認
最終的な動作確認をして問題がなければ設置工事完了です。
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太陽光発電システムは必ず必要なのか
V2Hを導入する際に、太陽光発電システムが必須となるのか気になる人は多いのではないでしょうか。結論からいえば、太陽光発電システムを導入するかどうかは自由です。ただ、電気代の節約や地球温暖化防止、万が一の際の非常用電力という意味では太陽光発電システムがあったほうが活用できる場面を増やすことができます。また、補助金のなかには「太陽光発電システムの導入が必須」というものもあるため、そういった補助金を利用したい場合は検討するのもよいでしょう。
V2Hの導入の際にも、電力申請や事業計画変更申請の許可を得なければなりません。しかし、許可が下りるまでの期間も太陽光発電システムが導入されているかどうかで異なります。できるだけ早くV2Hを導入したい場合は、あらかじめ太陽光発電システムを導入しておくのも一つの方法です。
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V2Hの保証期間は2~5年ほど
V2Hの寿命は、まだ明確にされていません。なぜなら、V2Hが販売・導入されるようになってから10年以下であり、寿命と明確に言えるほどの情報がそろっていないからです。ただ、一般的な電化製品の寿命が10年前後であることが多いため、V2Hについても同年程度だと考えられています。V2Hの機器の製造販売メーカーでは、保証期間を2~5年ほどに設定している傾向です。そのため、万が一短期間で故障などがあった場合でも保証期間内であれば対応してもらうことができます。メーカーによっても異なりますが、有料で保証期間を延長できる場合もあるため、気になる人は事前に確認しておきましょう。
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V2Hの機器を長持ちさせるには
V2Hの機器を購入する場合は、補助金を利用したとしても高額な費用の準備が必要です。また、太陽光発電システムの導入や電気自動車を購入すれば数百万円単位のコストがかかります。長い目で見ればお得な部分もありますが、V2Hをできるだけ長持ちさせたいものです。専用機器を長持ちさせるためには、定期的にメンテナンスするほかにも、特定負荷型を選択するのもよいでしょう。なぜなら、特定負荷型は電力を供給するものがあらかじめ決められていて、V2Hにかかる負担も全負荷型より少ないからです。ただ、どちらを選ぶのがよいかは使用したい用途によって異なるため、導入前に多方面から考える必要があります。