産業用太陽光発電(太陽光パネルの設置容量10kW以上)において、屋根置きなら売電価格を2~3割増額する予定。
▶ 自家消費型太陽光発電システムの設置費用と補助金
FIT制度により太陽光発電の売電価格は10年、または20年間固定されており、令和5年度は以下の売電価格です。
・16円:太陽光パネルの設置容量10kW未満
・10円:太陽光パネルの設置容量10kW以上
固定価格買取制度は2012年にスタートしたが、太陽光発電の設備費用が安くなるにつれて、売電価格は徐々に下落し、上記の金額に至りました。
特に、設置容量10kW以上に関しては10円/kWhと非常に低額で、投資目的での設置者が非常に少なくなりました。
今回の経済産業省の方針は、2024年度以降は屋根に太陽光パネルを設置する場合は、平地(野立て)設置より2~3割ほど高価格で発電電力を買い取る、とのこと。
遊休地に太陽光発電を設置することは推奨せず、既設の施設の屋根に設置することを推奨する、というメッセージですね。
そもそも、太陽光発電に適した遊休地での発電事業はすでに一巡しており、斜面に無理やり設置したり、盛土にゴミを埋めたりと、地域住民に遺恨を残すような事業展開が散見するようです。
屋根の上に太陽光パネルを設置することは、スペースの有効活用にほかならないですし、日本中に空き屋根スペースが多数存在します。
政府は2030年までの温室効果ガス削減目標を達成するため再生可能エネルギーの普及促進が必要なため、今回の施策を行います。
屋根に設置する場合、平地設置と異なり、足場設置費用など設置コストがかさむのことも考慮されているようです。 ただし、FITの売電収益の原資は一般消費者の再エネ賦課金で、電気代の上昇の要因になる可能性もあります。長期的には電気料金の削減につながるはずの施策ですがプロセスでの電気料金上昇の理解が必要ですね。