電気自動車(EV車)や家庭用蓄電池に使用するリチウムが過去最高値に価格高騰しています。
価格は8月初旬の2倍で、以下の価格相場です。
2021年8月:9万元/トン
2021年10月:19万元/トン
◆ リチウム価格高騰の要因
需要急増
昨今の脱炭素の目標に伴い、世界的に電気自動車(EV車)の需要が急増しており、製造数の急増によりリチウムの使用量も急増している。
具体的には、電気自動車(EV車)とプラグインハイブリッド車の2021年の販売台数は昨対比2.5倍に拡大しています。
自動車全体での電気自動車(EV車)の比率は現時点で9.3%で、前年の平均が4%程度だったので倍以上の普及率となる。
リチウムは電気自動車(EV車)だけではなく、家庭用蓄電池やスマートフォンなどにも利用されているが、電気自動車(EV車)の製造におけるリチウムの使用量が圧倒的に多く、必要な電池容量で比較すると電気自動車(EV車)はスマートフォンの1万倍の電気容量が必要となる。
供給不足
リチウムの主要生産国は中国だが、中国の電力不足により、生産が滞っており供給不足の一因となっている。
さらに、リチウム精鉱の価格も急騰しており、落札価格は2500ドル/トンと入札開始時の2倍まで高騰している。
リチウム鉱山は1年前の2020年夏頃までは価格が低迷しており、採算が合わず閉山が続いていました。
その後に、脱炭素で電気自動車(EV車)ブームとなり、供給不足に陥るというタイミングの悪さは絶妙ですね。
解決策は、鉱山を開山して調達を再開すれば問題なさそうですが、迅速に行動しないと市場価格は高止まりしそうです。
脱炭素を実現するためには、石炭火力など発電の問題だけでなく、車の排気量の問題も大きいです。
電気自動車(EV車)の普及拡大には低価格製造がマストで、製造原価の多くを占める原材料のリチウムの価格低減が大きな課題です。
上記より、閉山しているリチウムの鉱山を開山して、中国の電力不足の問題が解消したらかなりの改善しそうですね。