補助金の申請に必要な書類は?
蓄電池設置までの流れとして、最初に補助金の申請を行い、決定が出てから施工という順番になります。
そのため、まずは申請に必要な書類を用意しておかなければなりません。
どこに申請するのか、太陽光発電等とセットで導入するのかなどによって用意する書類は異なりますが、詳細は申請先のホームページに記載されていますので、個人で用意しなければならないものは早めに準備しておきましょう。
まず、申請先で補助金交付申請書を取り寄せます。
施工業者が所有している場合もありますが、申請先のホームページからダウンロードすることも可能です。
また、施工業者から今回の蓄電池が補助金の対象となることを証明する製品カタログ等や見積もり書、太陽光発電の設置を伴う場合には事業計画認定書と蓄電池の仕様書、配線図、構造図などを取り寄せておきましょう。
この他にも、設置場所の説明書や本人確認書類などが必要になることもあり、まずは自分のケースで何が必要なのかを早急に把握することが重要です。
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国が実施している補助金の申請方法
設置場所に関係なく利用できるのが、国が実施している補助金制度です。
環境省や経済産業省が行っている事業で、災害などで停電した時にも必要な電力を供給できる性能を持った太陽光発電システムや蓄電池等の導入を目的としています。
設置する設備の種類や性能、工事費に応じて交付額は異なりますし、申請方法が複雑で予約申請、交付申請、実績報告と複数回の手続きが必要なため、あらかじめ申請の流れを確認しておいた方がスムーズに進められるでしょう。
以下に、国が実施している補助金の申請方法を手順ごとに紹介していきます。
◆ 予約申請
予約申請は、見積もりの段階で一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)に対して行う手続きです。
この段階で設置場所に関連する発電所や蓄電システムの容量、太陽光発電等の接続機器について審査を行い、申請受付に進めるかどうかを判断します。
予約申請は契約や購入、設置を行う前に済ませなければならず、かつ期限内に完了しなければなりません。
この手続きでは、原則として3社以上の施工業者から相見積もりを取る必要があります。最終的にどの業者を選ぶのかは自由ですが、補助金は最安値の見積もりを基準にして算定されます。
ただし、設置予定の設備を取り扱っている業者が限られている、特注の仕様になっている、住宅と一体型になっているなどの特殊な事情がある場合には、申請時に理由書を提出すれば免除される可能性が高いです。
予約申請が認可されると予約決定通知書が発行されますが、決定日から90日間で有効期限が切れてしまうため、この期間内に次の交付申請に進まなければなりません。
電力会社との協議が長引くなど、期限内に交付申請に進めそうにない場合には、交付申請遅延届出書を提出しましょう。
◆ 交付申請
交付申請は予約決定日から90日以内、または当該年度の交付申請提出期限までに行わなければなりません。
予約決定通知書が発行されてから電力会社と電力負担金や工事費について協議をして契約を結び、SIIに対して交付申請をするという流れですので、早めに協議に取りかかる必要があります。
90日以内に契約に至る見込みがない場合は、交付申請遅延届け出書を提出することで期日は延長できますが、この場合も交付申請提出期限は変更になりませんので、年度末に申請を行うときは日程を確認しましょう。
交付申請を終えると、SII側で予約申請の内容通りに契約が進められているか審査が行われます。
認可が下りて補助金の交付対象となったら、交付決定通知書が発行されます。
この交付決定がなされてから蓄電池の発注をする必要があり、逆の手順では補助金交付の対象外となりますので注意が必要です。
◆ 実績報告
実績報告は、発注から電気工事及び設備の設置、引き渡し、支払いまでの内容を報告書にまとめて提出する手続きです。
これらの手続きを全て終えなければ補助金の交付が受けられませんので、期限内に必ず済ませておきましょう。
なお、ここまでの期間を補助事業期間といいますが、この期間内に発電システムから蓄電池に電力の供給が行われていなくても問題はありません。
しかし、少なくとも蓄電池に電源が入る状態になるまでは勧めておく必要があります。
また、実績報告の段階で費用の精算まで済ませておかなければならないため、支払いの証明には領収書の添付が義務付けられており、請求書で代用することはできません。
加えて、実績報告も期限が定められていますので注意しましょう。計画通りに全ての作業が終了したと判断されると認可が下り、補助金額の決定通知書の発行と共に補助金が給付されます。
国の補助金の対象となる条件は?
国の補助金は、対象となる蓄電池や太陽光システムの導入を検討しているほぼすべての世帯に当てはまるため、毎年競争率が非常に高いです。
一方で、補助金の対象となる蓄電池は種類が限られており、補助金の条件に合致する蓄電池を選ぶこと、申請手続きを迅速に進めることが重要です。
また、給付される補助金の額は施工費用のほかに蓄電池の容量にも左右されますので、中途半端な容量の蓄電池を購入するよりは、必要を満たすに十分なものを選ぶのがおすすめです。
なお、補助金を計算する際は、蓄電容量ではなく初期実効容量を基準にして算定しますので注意しましょう。
補助金を受けられる条件としては、基準を満たし、SIIに事前登録された災害対応型の機器で、10kW未満の太陽光発電と併設可能な商品であること、新規に設置したもののみで中古やレンタルは対象外となること、設置費用が目標価格以下であることなどが挙げられます。
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国の補助金を申請する際のポイント
国の補助金は競争率が高く、例年早期に受付が終了します。
そのため、確実に補助金が受けられるようにミスなしで申請を済ませることを心がけるのはもちろん、できるだけ短期間で手続きを終えるのが良いでしょう。
国の補助金申請をする際に注意すべき点を、以下に紹介します。
◆ 予算には限度があり先着順で受付が終了する
国の事業ということで期限ぎりぎりで申請しても問題ないと考えている人は多いですが、年度ごとの予算には限度があります。
そのため、先着順で申請を受け付けてはいるものの、補助金の交付額が予算の上限に達した時は期限の到来を待たずに予約の受付を終了します。
蓄電池は太陽光発電システムと並んで一般家庭の需要も高く、毎年補助金の申請件数も非常に多いです。
そのため、締め切り前に早期受付終了することがほとんどであり、購入や設置を検討する段階で準備をしておいた方が良いでしょう。
実際、翌年の2月を期限と設定していたにもかかわらず、その年の8~9月には受付を終了するというケースが見られます。
対策としては、蓄電池の設置を検討する段階になったら補助金の予算残高を確認し、早目に対処するというのが最善です。
予算残額はSIIのホームページで随時更新されていますので、こまめにチェックしておきましょう。
◆ 蓄電池は交付が決定してから購入する
交付申請手続きが複数回に渡る上、それぞれに期限が設けられていることを勘案して、早めに手続きを進めてしまおうという人も少なくありません。
しかし、補助金は申請すれば必ず給付されるというものではなく、審査を経て条件を満たしたものだけが交付を受けることができます。
交付決定前に契約や発注を行った蓄電池に関しては、経費が補助金の交付対象外となるため、正規の手続き通りに進めなければなりません。
以上の点から、契約や設置のタイミングは電力会社や施工業者とも十分協議した上で、交付が決定してから蓄電池を購入しましょう。
なお、手続きを迅速に進めるために正式な契約ではなく仮契約を業者と交わすこと自体は問題ありません。
交付が決定した後の購入を前提として、進められるところまで業者と話し合っておくのも良いでしょう。申請手続きを何度も行っている業者であれば、手順に従いながらスピーディーに手続きを進められるようにサポートしてくれます。
◆ 補助金の申請は個人では行えない
国の補助金を交付申請する場合は、蓄電池を購入する個人が手続きを行うことはできません。
補助金の交付対象に該当する蓄電池等の設備の導入や工事を行う業者が、事前にSIIに申請者代行登録を行うことで、手続きができるようになります。
逆に言えば、対象となる蓄電池を取り扱っている業者であれば、申請手続きの手順も把握しており、面倒な手続きを代行してもらえるので安心です。
代行手数料は別料金の場合と、施工費用に含まれている場合がありますので、見積もりできちんと確認しておきましょう。
国の補助金の交付申請は手順が複雑なこともあり、申請代行者がスケジュールを組んでその都度指示を出すのが一般的ですが、自分でも確実に補助金が支給されるように手続きを確認しておくことが大切です。
また、業者探しをする際に、これまでに交付申請手続きを多く行ってきたところを探せば、トラブルに巻き込まれる可能性も少なくなるでしょう。
◆ 補助金を受け取るまでには時間がかかる
蓄電池の設置の場合、先に設置工事を済ませて後からゆっくり補助金の交付申請をするという手順が踏めないため、設置や補助金の交付に時間がかかります。
SIIの混雑具合にもよりますが、一般的には申請してから交付されるまで3カ月程度が必要とされていますので、導入を決めたらすぐに施工業者に相談したほうが良いでしょう。
導入に関しても、申請から工事完了までが早くて2カ月程度、長ければ半年近くかかってしまうこともあります。
なお、蓄電池本体の設置や配線工事自体は、半日から1日もあれば完了するケースがほとんどです。
流れとしては、まず複数の業者からの見積もりを取り寄せて予約申請を行い、決定が出たら電力会社に契約の申し込みをして、工事費等を協議します。
契約を締結してから交付申請を行い、決定が出たら蓄電池の取り寄せ、現地調査、設置工事、引き渡しから支払いまでの手続きをして、最終的に実績報告をするという手順です。
この報告が認可されてようやく給付を受けることができますので、時間がかかることをあらかじめ覚悟しておきましょう。
地方自治体が実施している補助金の申請方法
地方自治体が実施している蓄電池の補助金に関しては、自治体ごとに判断が異なるため、交付を受けるための条件や金額、必要書類、手続き等について統一された基準がありません。
また、補助金の交付自体を行っていない自治体もありますので、交付の有無や申請方法などについては自治体に問い合わせた方が良いでしょう。
地方自治体の補助金の場合、施工業者ではなく原則個人で申請しますので、施主にとっては国への申請よりも負担が大きいです。
ほとんどの自治体で蓄電池の設置工事を始める前に申請が必要ですが、郵送や窓口提出、オンライン申請などその手段も自治体によって異なります。また、国と同様に申請期限があるため、注意しなければなりません。
必要書類はだいたい国の補助金の交付申請と同じですので、施工業者に依頼しておけば揃えやすいです。工事前に必要書類を揃え、申請書を提出しましょう。
大体1週間~1カ月程度で審査が終了し、補助金の交付決定通知書等が発行されます。
これを受けて蓄電池の設置工事を行い、完了後に報告書を提出すれば補助金が支払われるという流れです。こちらも先着順で予算に達し次第受付終了となります。
地方自治体の補助金の対象となる条件は?
補助金の対象となる条件についても、地方自治体が独自に設定しているため、各自治体によって大きく異なります。
一般的に共通している条件としては、その自治体のエリア内に居住していること、税金の滞納をしていないことなどが求められます。
また、交付の対象となる蓄電池も決められていることが多く、容量や太陽光システムと連携が取れるかどうかが条件に挙げられていることもあるため、購入前にしっかり確認しておきましょう。
国の補助金と同様に、各自治体が定めている期間内に対象機器を設置すること、中古やレンタルではなく新品であることなども条件として挙げられることが多いです。
地方自治体の補助金を申請する場合には、まず自分が居住している自治体で設置予定の期間内に補助金の交付が行われているのかを確認し、該当するものがあれば条件を詳しく調べてから蓄電池を探すという流れになります。
地方自治体の補助金を申請する際のポイント
地方自治体の補助金は、国の場合と違って地域によってタイミングや条件等がそれぞれ異なります。
しかし、条件が合致すれば国の補助金よりも申請者の数が少ないため、気持ちにゆとりをもって申請することができます。
とは言え、開始時期や受付の期限も自治体によって異なるため、常に最新の情報を収集しておいた方が良いでしょう。
以下に、地方自治体の補助金を申請する際のポイントを紹介していきます。
◆ 国の補助金と併用することもできる!
一つの蓄電池設置工事に対し、国が管轄している複数の補助金を併用して受け取ることはできません。一方、地方自治体の補助金は時期や地域によって受けられないこともありますが、国の補助金と併用することが可能です。
もちろん、どちらかの補助金の受付が終了していても、一方がまだ申請可能であれば片方だけ交付申請をすることもできます。
双方から補助金を受け取ることができれば、従来の価格よりも大幅にお得な金額で蓄電池の設置ができますし、見積もりで条件の良い施工業者が見つけられれば、さらに満足度は高くなるでしょう。
国と地方自治体、両方に申請を出す場合には、それぞれの条件をよく確認して、どちらの条件も満たしている蓄電池を選ぶ必要があります。
また、申請や契約、施工のタイミングをよく確認してから作業を進めるようにしましょう。
◆ 補助金の申請は個人で行う
国の補助金は申請代行者しか行えませんが、地方自治体の場合は原則個人で交付申請を行います。
そのため、必要書類は自分で用意する必要がありますし、申請書の作成や必要書類の添付、スケジュール調整、自治体から交付される決定通知書の受け取りなどをすべて自分で管理しなければなりません。
手順が複雑で手続きが面倒、忙しくて申請ができないという場合には、費用はかかりますが申請代行を利用することも可能です。
元々国の補助金を申請する予定であればタイミングとしてはそれほど大きなずれが生じませんし、地域密着型の施工業者ならば、そのエリアの地方自治体の補助金交付申請についても詳しいため、安心して任せられます。
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