経産省が時折、発電方式ごとの発電コストを試算し公表しているが、疑問の声があがっている。
そりゃそうだ。特に原発は核廃棄物などなど前提条件によって発電コストは大きく変動するので、どの金額で算出しても疑問を持たれるだろう。
前提条件の正当性が問われますね。
◆ 2030年の発電コスト
発電方法 | 発電コスト |
---|---|
太陽光発電 | 8.2~11.8円/kWh |
陸上風力 | 9.8~17.2円/kWh |
火力発電 | 10.7~14.3円/kWh |
原子力発電 | 11.7円/kWh~ |
ということで、現時点での経済産業省の試算では太陽光発電の発電コストが最も低価格となっている。
◆ 原子力発電の発電コスト
2030年の原子力発電の発電コストは「11.7円/kWh以上」と試算されている。
11.7円/kWhは、風力発電などと同等に低価格の発電コストと位置づけられる。
ただし、原子力発電所の建設コストが増大し、想定通りに再稼働できなければ原子力発電の発電コストは「19円/kWh」まで上昇する試算となるらしい。
◆ 原子力発電の発電コストの試算方法
原子力の発電コストの試算は、「新設時の建設コスト」「燃料費」の総費用を運転期間中の発電量で割った数値となる。
しかしながら、原子力発電の維持にかかる費用はこの限りではなく、例えば東日本大震災で被害にあった福島第一原発の事故の対応費用など莫大なコストが勘案されていない。
【原子力発電の建設コスト】
原子力発電所の新設の建設費用は、従来は40万円/kWだったが、安全対策を強化する場合は100万円/kW程度まで跳ね上がる可能性があり、発電コストに大きく影響する。
さらに、稼働率次第でも大きく発電コストが変動する。
【原子力発電の発電コストの予測】
建設費用 40万円/kW |
建設費用 100万円/kW |
|
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想定通りの稼働率 | 11.7円/kWh | 17.4円/kWh |
想定の半分の稼働 | 13.2円/kWh | 18.9円/kWh |
世界の課題が、「脱炭素」であることは大前提で、実現には火力発電の削減は不可欠。
クリーンエネルギーの代表格は原子力発電だが、上述のように発電コストの予測のブレが大きいうえに、東日本大震災のような震災があれば、発電コストがどうのこうのという事態ではない。
再生可能エネルギーの爆発的な普及促進が望まれるが、実現するまでのつなぎとしては、原子力発電で脱炭素を優先するか、火力発電で安全性を優先するか意思決定が難しそうだ。
発電コスト、脱炭素、安全性の全てを解決できる、再生可能エネルギーの普及促進に期待。
◆ 太陽光パネルの価格と性能を比較
太陽光パネルの価格相場と性能一覧は以下をご参照ください。
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◆ 太陽光発電の補助金
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