経産省は2030年までに、新築戸建て6割に太陽光発電を設置!
経産省は2030年までに、新築戸建て6割に太陽光発電を設置する目標を検討する。
ちなみに、現時点で新築戸建ての太陽光発電の導入率は1~2割。
以前、小泉進次郎環境大臣が「住宅への太陽光発電システム設置の義務化を視野に入れるべき」と発言し注目を浴びました。
このような強引な施策が必要なほど環境問題は極めて深刻で、一刻も早い行動が必要とされています。
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新築一戸建て6割に太陽光発電設置は可能?
◆ 現時点での太陽光発電の導入状況
現時点での新築一戸建ての太陽光発電の導入比率は「1~2割」程度で、2030年の目標となる6割設置の1/3以下です。
太陽光発電導入の内訳は、
● 大手住宅メーカー:5割程度
● 中小メーカー:ほとんど導入していない
2030年の目標の内訳は、
● 大手住宅メーカー:9割程度
● 中小メーカー:5割程度
◆ 課題は、中小メーカーの太陽光発電の導入
中小メーカーの住宅は、いわゆる「ローコスト住宅」が多いです。
中小メーカーが最も重視するポイントは「建築コストの削減」で、太陽光発電などコストが高くなることは極力避けます。
中小メーカーがコスト重視なのは、ターゲット顧客がコスト重視なので、顧客のニーズに応えるべくしてローコスト住宅を建築しているのです。
さらに、中小メーカーは大手メーカーよりも利益が少ないので、多数の案件をこなす必要があり、太陽光発電の営業や仕入れや設置など新たな工程を取り入れる余裕がないケースも多いです。
実際は、顧客は売電収益や節電で太陽光発電の設置コストは回収できるので、総合的には支出は増えないのですが、中小メーカーの視点では「販売価格」が上昇する時点で販売が不利になるので、無理して太陽光発電を設置しようとは思わないのです。
おそらく、2030年に新築一戸建て6割で太陽光発電を設置する目標を達成するために、経産省や自治体から高額な補助金を交付するかと思うので、中小メーカーは太陽光発電の販売店などとタイアップして、太陽光発電の設置をすすめていくのが良さそうです。
顧客のローン与信の問題で、太陽光発電のコスト分がローンに組み込めないなど、金銭的な問題がある場合は、PPAというモデルを利用し無償で太陽光発電を設置することもできます。
PPAの仕組みは、設置後10年間はメーカーが所有し、売電収益は全てメーカーの収益となりますが、10年後には無償で家主に譲渡されるので、初期費用を払わずに太陽光発電を設置できます。
環境問題、エネルギー問題
地球の環境問題は極めて深刻化しており、気候への影響は甚大で「ティッピングポイント(転換点)」が間近だと言われています。
温室効果ガスによって、地球温暖化がすすんでいますが、温度上昇が2度を超えると気候変動が極めて深刻化し修復不可能になるらしいです。
具体的には、海面上昇・台風の大型化・大雨による洪水被害、干ばつなどが多発します。
二酸化炭素排出の上位3つは以下です。
● 火力発電:40%
● 工場:25%
● 車の排気ガス:20%
◆ 車の排気ガス
車の排気ガスにおいては、2030年代後半には新車のガソリン車販売を禁止し、新車は電気自動車とハイブリッド車のみの販売に限定することで排気ガスを削減します。
他の先進国も概ね同様の施策で、ガソリン車を削減させます。
おそらく近い将来、インドやインドネシアなどの途上国も追従するはずです。
◆ 火力発電
火力発電の発電比率を削減するために、日本政府は「2030年の総発電量の36~38%を再生可能エネルギーでまかなう」と宣言しています。
ちなみに、現時点では17%なので、かなりインパクトのある戦略を打ち出さないと実現不可能です。
日本の電力使用量は増加傾向で、今後も高い電力供給を維持する必要があります。
以下が現状の電源構成です。
● 火力発電:77%
● 再生可能エネルギー:17%
● 原子力発電:6%
東日本大震災がなければ、原子力発電の稼働を増やすことで、火力発電の比率を削減し二酸化炭素排出量を削減したはずです。
原子力発電はクリーンエネルギーと位置づけられており、世界では原子力発電を活用して二酸化炭素を削減する国も多くあります。
日本の場合は、地震大国で実際に大災害を経験しているので、原子力発電の再稼働の選択肢はないでしょう。
結果的には、エネルギーの供給強化と環境改善の2つの課題を解決する施策は再生可能エネルギーの増強一択なのです。
少し前までは、メガソーラーが投資家に人気でしたが、昨今の売電価格の下落と、確保できる平地での設置場所が少なくなってきたことから、新規メガソーラーの市場は下火です。
先日、政府から「公共建築物は太陽光発電を原則設置する」と発表されました。
今後はビルや住宅などの建築物に太陽光発電を設置し再生可能エネルギーの発電量を増やす方針です。
◆ 太陽光パネルの価格と性能を比較
太陽光パネルの価格相場と性能一覧は以下をご参照ください。
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◆ 太陽光発電の補助金
太陽光発電の補助金(自治体から)は以下をご参照ください。
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