史上初、電力の需給逼迫注意報を発令!火力発電の限界
ついに経済産業省は、「電力の需給逼迫注意報」を初めて発令しました。 想定外の気温上昇が要因で、冷房の使用など電力の需要が大幅に高まることを予測しての発令です。
■ 日本の電力構造の懸念
火力発電
火力発電は日本の電力構造のメインですが、昨今の脱炭素の施策により休廃止が基本方針となっている。
原子力発電
原子力発電においては、脱炭素の観点では問題ないが、東日本大震災での福島原発事故の後処理や賠償の問題など解決していない最中での原発再稼働の議論は困難となっています。
再生可能エネルギー
脱炭素を実現するうえで、太陽光発電システムや風力発電の普及がキモとなるが、普及には時間がかかり、エリア横断での電力供給網の構築など課題が解決されていない。
■ 電力逼迫の詳細
7月1日までの1週間の予備率で最も厳しいのが東京電力と東北電力で、予備率はいずれも「6.8%」でしたが、6月26日に状況が一変し予備率が「2~3%」と劇的に逼迫した。 東京もかなり暑いが、このくらいの気温は7月になれば日常茶飯事なので、7~8月は常に電力逼迫の懸念があると言えるでしょう。
■ 電力不足の解決策
既存の火力発電所を再稼働
脱炭素の方針のうえで、休廃止される火力発電所が多く存在しますが、稼働の基準を満たしている火力発電所においては、継続して稼働するように経済産業省が促すようです。
新規火力発電所の設立
二酸化炭素の排出量が少ない、脱炭素の方針に合う火力発電所を新設する。
脱炭素の基本方針は、火力発電所の発電比率を下げて、再生可能エネルギーの発電比率を上げることになっているので、方針を見直す必要があります。
各家庭や企業の節電
最近話題の「節電ポイント」というインセンティブを設計することで、電力の供給量を下げて予備率を正常化させる取組です。
即効性のある戦略で、最も効果が期待できますが、抜本的な解決策ではないので、供給量の安定を促す戦略が喫緊の課題です。
■ 参院選での原発再稼働の是非
2021年の原子力発電の発電比率は6%で、ロシアからの液化天然ガスの輸入停止や脱炭素の推進による再稼働の是非が問われています。
政党 | 原発再稼働の意向 |
---|---|
自民党 | 原子力の最大限の活用 |
立憲民主党 | 原発に依存しない社会 |
公明党 | 基準を満たした原発の再稼働 |
日本維新の会 | 安全確認後に速やかに再稼働 |
共産党 | 即時ゼロ |
れいわ新選組 | 即時禁止 |
社民党 | 速やかな停止 |
国民民主党 | 次世代原発への建替え |
NHK党 | 再稼働の検討を政府に求める |