電気不足、冬に110万世帯!大型蓄電池で解決?
日本は慢性的な電力不足で、今冬の寒さが厳しければ一般家庭の110万世帯分の電力が不足する見込みです。現状の供給力や電力システムが継続する前提でのリスクなので、双方の改善によりリスクは回避できます。
■ 電気不足の要因は?
・脱炭素の方針の影響もあり、老朽化した火力発電所を中心に休廃止。
・東日本大震災の影響で、原発再稼働がすすまない。
・ロシア問題で、液化天然ガスの供給が滞っている。
■ 電力の予備率は?
電力の予備率とは、電力需要に対する供給の余裕の度合いです。
厳冬の場合の各電力会社の予備率は以下
・東京電力:-0.6%
・中部~九州の6エリア:1.3%
東電も含めて、全国7電力会社の予備率を3%に保つためには、350万kWが必要で一般住宅に換算すると110万世帯分となる。
■ 既存の発電所の動向は?
再稼働を検討する火力発電所の発電能力は150万kW。
さらなる課題として、ロシアから購入している液化天然ガスの輸入がすべて停止すると、さらに400万kWの発電電力が喪失する。
原子力発電所の動向は?
・原子力規制委員会の安全審査を通過した原子力発電所:17基
・実際に稼働している原子力発電所:4基
残り13基の発電能力は1300万kWで、いくつかを稼働できれば電力不足問題は改善する。
しかしながら、再稼働の障壁は高く、以下の要因があげられる。
・地元住民の理解を得られないこと
・テロ対策
■ 電気不足の解決策
大型蓄電池の導入
大型に限らず蓄電設備の普及がすすめば、電力需要が大きい時間に蓄電池に充電し、電力供給が大きい時間帯に放電するような需給バランスの調整が可能になります。
地域横断の電力供給
電力が余っている地域から、電力が不足している地域へ電力を融通する施策。
最も効果が大きい施策で、実現には送配電線の強化や最適な需給調整のシステムなど莫大な投資が必要となりますが、再生可能エネルギーの発電電力を最大限活用するためにも必須の解決策となります。