先日の地震により、東京電力と東北電力関内で電力不足に陥る可能性があります。
政府が発令した「電力需給逼迫警報」は史上初のことで、事の重大さを感じます。
◆ 電力需給逼迫の要因は?
地震により、火力発電所が停止したために、供給不足が発生している。
本来なら、北海道電力や中部電力など近隣の電力会社から発電電力を融通してもらうことで解決するはずだが、いまだに送電網の強化が実現しておらず、各電力会社の関内での施策が求められる。
具体的には、各家庭や企業に対する節電の呼びかけです。
実際に、横浜の観覧車が消灯し、エコ発電本舗所在地の池袋でも駅構内で節電が行われています。
◆ 近隣地域からの融通は?
東京電力への電力の融通は、東北電力から80万kW、西側からは60万kW程度と限定的。
60万kWの内訳
中部電力と東京電力間の送電線の容量は210万kW
うち120万kWは随時送電されている
さらに30万kWは点検中
ということで、空き容量はだいたい60万kWとなります。
◆ 送電線の強化は?
中部電力と東京電力間で融通できる電力量は、もともと120万kWだったが、2021年に210万kWに増強されています。何もやっていないわけではないのですね。倍増しています。
さらに、2027年までに300万kWまで増強予定です。
送電網の強化は今回のようなトラブル時の電力の需給に役立つだけでなく、再生可能エネルギーの需給調整にも極めて効果的です。
昨今の脱炭素宣言により、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの普及が拡大しています。
しかしながら、再生可能エネルギーは天候による発電量の変動が大きく、需給バランスが課題となっている。
本来なら送電網も強化することで、需要が多い地域に供給することができ、再生可能エネルギーを普及拡大できる。